HTLV-1 関連脊髄症(HAM)の病態には、HTLV-1 Taxによる制御性T細胞(Treg)のTh1様細胞への分化転換が重要であるが、個体レベルの病原性は明らかではなかった。そこで我々はこれまでのTax発現マウスと異なり、Tax発現がTregに限定され、1細胞あたり1コピーのTaxしか発現しないマウスを作成した。本マウスはホモでTax を発現すると28匹中28匹(100%)6 週令以内に死亡し、ヘテロでTaxを発現したマウスはすべて20 週齢頃より尾と耳介に皮膚炎や潰瘍を生じた。こうして、TaxがTreg特異的に発現することの個体レベルの病原性が明らかになった。
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