研究課題/領域番号 |
16K09708
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
神 一敬 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (20436091)
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研究分担者 |
岩崎 真樹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院, 部長 (00420018)
上月 正博 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70234698)
柿坂 庸介 東北大学, 大学病院, 講師 (90400324)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | てんかん / 自律神経 / 心拍変動 / 胃電図 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き頭皮脳波と自律神経モニタリングの同時記録を試みた。昨年度確立したビデオ脳波モニタリング時に心拍・呼吸に加え、消化機能をモニターするシステム、すなわち脳波、心電図・酸素飽和度に加え、胃電図を長時間記録・解析するシステムを用いて、患者データの集積に努めた。残念ながら、胃電図の同時記録中に発作記録を捉えることはできなかったが、心電図に関しては、発作間欠時の心拍変動解析を継続して行い、興味深いデータが得られた。睡眠段階に着目し、覚醒時、ノンレム睡眠時、レム睡眠時における心拍変動データを各々、区別して解析したところ、全般てんかんと局在関連てんかんでは睡眠時の心拍変動パターンが異なることが明らかになった。この結果は第51回日本てんかん学会(京都)にて発表した。また、二次性全般化発作後に発作後全般性脳波抑制(postictal generalized EEG suppression: PGES)がみられる患者では睡眠時の心拍変動に異常がみられることが分かった。この結果は第9回日本臨床睡眠医学会(金沢)にて発表した。酸素飽和度に関しては、中枢性無呼吸が二次性全般化発作を誘発したと思われる興味深い一例の発作時記録が得られ、第9回日本臨床睡眠医学会(金沢)にて発表した。さらに、XXIII World Congress of Neurology(京都)、第35回日本神経治療学会(さいたま)、第47回日本臨床神経生理学会(横浜)、第5回全国てんかんセンター協議会(新潟)に参加し、てんかんと自律神経の関連について、国内外の研究者と議論する機会を得た。特にてんかん患者にみられる原因不明の突然死(sudden unexpected death in epilepsy: SUDEP)に関する最新の知見を得ることができ、本研究をさらに発展させる必要性を再確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胃電図同時記録中の発作記録が得られていない。しかし、心電図・酸素飽和度については興味深いデータが得られ、学会発表も行った。
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今後の研究の推進方策 |
発作時記録が得られるよう、データ収集を継続する。頭蓋内脳波と自律神経モニタリングの同時記録も試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定より旅費がかからなかったため、次年度使用額が生じた。 次年度にヨーロッパてんかん学会に参加するための旅費として使用する予定である。
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