研究課題/領域番号 |
16K09710
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
叶内 匡 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (50345287)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 病変進展 / 疾患進行パターン / 電気生理 / local progression / regional spread |
研究実績の概要 |
筋萎縮性側索硬化症の患者48名について、初発部位における複合筋活動電位の低下速度(local progression time)と初発部位から他身体領域への症状進展速度(regional spread time)との関係に基づく定量的な疾患進行パターンを検討し、それと臨床的な上位運動ニューロン徴候の有無との関係について、統計学的な解析を行った。初発領域における上位運動ニューロン徴候の有無により local progression time および regional spread time はいずれも有意な差を認めなかった。また、初発から2番目に症状が進展した領域における上位運動ニューロン徴候の有無によっても、local progression time および regional spread time に有意な差は認められなかった。上位運動ニューロン障害と下位運動ニューロン障害の病変進展について一様ではない機序が存在しているようであることがわかった。Tripple stimulation technique を用いた経頭蓋磁気刺激による上位運動ニューロン障害の定量的な評価については、まず技術的な点についての予備的な検討を行ったところ、上肢領域に関しては検査に大きな問題のないことを確認できたが、下肢領域に関して克服すべき問題が判明し、検討中である。針筋電図による下位運動ニューロン障害の分布パターンと疾患進行パターンとの関係についても、目下のところ明らかな関連は見出せていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Tripple stimulation technique を用いた経頭蓋磁気刺激による上位運動ニューロン機能の評価に関して、下肢領域における技術的問題が判明したため。
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今後の研究の推進方策 |
筋萎縮性側索硬化症患者のデータ集積は継続して行っていく。Tripple stimulation technique を用いた経頭蓋磁気刺激による上位運動ニューロン機能の評価に関する技術的問題については解決策の検討を続けるが、上位運動ニューロン障害の定量的評価法については、必要に応じて電気生理学的手法にこだわらず、画像など他の手法についても考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
Tripple stimulation technique を用いた経頭蓋磁気刺激による上位運動ニューロン機能の評価法において技術的な問題が判明し、健常人を対象とした正常値の作成計画の実施を延期したため。
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次年度使用額の使用計画 |
①技術的問題のない上肢領域における正常値の作成を先行して進める。②脳MRIによる画像的な評価法について検討し、適切な方法が実施可能である見込みがたてば、そちらでも経費を使用する。
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