ALS 21例中針筋電図上の障害髄節が初発部を基準に連続した分布の8例においてのみ、初発肢のCMAP振幅低下速度と次の身体領域への症状進展速度とに正相関の傾向がみられた。上肢発症7例では、経頭蓋磁気刺激(三重刺激法)による初発肢の反応が小さい程、初発肢のCMAP振幅低下速度に比して次の身体領域への症状進展が相対的により早い傾向があった。前者は、病変進展が病因因子のドミノ倒し的な神経細胞間伝播によるという仮説と合う結果で、後者は上位運動ニューロン障害が強いほど局所の重症化に比して病変の領域間進展がより優位となることを示唆する結果だが、いずれも十分な確証を得るに至らず、更に症例の蓄積が必要である。
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