研究課題/領域番号 |
16K09717
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
関口 兼司 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (70533793)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 高密度表面筋電図 / 筋超音波検査 / 針筋電図 / 臨床神経生理学 |
研究実績の概要 |
汎用筋電計と汎用超音波検査装置を接続したハイブリッド筋電図・超音波記録システムを用いて,複数の神経筋疾患における針筋電図・超音波の同時記録を検討した.疾患の診断に有用とされてきた線維自発電位や陽性棘波,複合反復放電,筋強直電位などの安静時自発電位は肉眼的に同定可能な筋の動きを伴わないことが明らかとなった.ALS 患者に特異的な放電の一つである線維束性収縮電位は針筋電図検査よりも超音波検査でより明白に確認できる回数が多かった.筋萎縮性側索側索硬化症(ALS)患者を対象に初年度に作成した超音波透過型高密度表面電極をもちいて安静時の線維束性収縮の検出を行った.ALS患者4名の小手筋(短母指外転筋,小指外転筋,第一背側骨間筋)に高密度表面電極を貼付し,その上に超音波プローベをおいた状態で10秒間安静を保持し記録した.計24施行において高密度表面電極で415個,超音波画像で162個の線維側性収縮電位を検出した.高密度表面電極ではより高頻度に線維束性収縮電位を検出することができ,超音波プローベを筋線維と平行においた場合はより差が顕著であった.一方,超音波で深部に確認される線維束性収縮は高密度表面電極では局在同定が困難であった.以上より,高密度表面電極による線維束性収縮電位の検出は,ALSの非侵襲的診断に有用と考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
装置開発の遅れが研究実施の遅れにつながり研究報告が遅延した.
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今後の研究の推進方策 |
次年度の学術大会で結果を報告する.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究結果の最終報告を2018年5月の国際臨床神経生理学会ICCN(ワシントン)で行う予定であったが,2019年5月に米国(フィラデルフィア)で開催予定の米国神経学会AANに変更になったため.
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