研究課題
【Ⅰ. マウス髄腔内への複数回投与手技の確立】過去の手技を改善し長期間の留置でも感染にも抵抗性のある複数回投与のための安定した投与ルートの留置法を探索している.実施においては,腰椎からのカテーテル留置とアルゼットポンプの使用の検討も合わせて行う.【Ⅱ. 複数の栄養因子の単回パルサタイル投与】5種類の神経栄養因子を単回パルサタイル投与する.投与濃度はコマーシャルベースで現実的に購入可能な最大量かつ以後の複数回投与を考慮して脳由来神経栄養因子(BDNF) 10μg,グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF) 1μg,肝細胞増殖因子(HGF) 1μg,インスリン様成長因子1(IGF-1) 5μg,血管内皮細胞成長因子(VEGF) 1μgとする.マウスへの投与の前に,96ウェル細胞培養プレートを用いて,PC12細胞の生存効果の濃度依存性の検定を実施した.これらの因子のカクテルを投与することにより濃度依存性に細胞生存が上昇することを確認している.これに引きつづいて,複数回の投与による細胞生存効果の改善についても検討する.【Ⅲ. 細胞生存シグナルの検出】細胞生存効果の指標として転写因子protein kinase B(Akt)のウェスタンブロットによる定量を実施した.総Aktとリン酸化Aktに特異的な抗体を用いて各々が定量できることを確認した.成長因子の添加によりリン酸化Akt/総Akt比の増加を認めた.
2: おおむね順調に進展している
筋萎縮性側索硬化症の治療において,神経栄養因子をどのように供給することが有効かを多角的に検討しており,細胞レベルの検討で一定の成果を確認した.
細胞レベルでの検討を更に進め神経栄養因子そのものの供給か,従来我々が行っている人工染色体を用いた栄養因子デリバリーかの何れが有効かを結論する.
本年度使用額は予定より184,027円少なかった.使用予定額との差は大きくなく,今後高額物品の使用によって相殺されると考えています.
必要物品の使用に当てる.
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http://dx.doi.org/10.1016/j.jns.2016.05.036.