研究課題/領域番号 |
16K09720
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
出口 一志 香川大学, 医学部, 准教授 (80263896)
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研究分担者 |
池田 和代 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (30592315)
久米 広大 香川大学, 医学部附属病院, その他 (20592314)
鎌田 正紀 香川大学, 医学部, 寄付講座教員 (70612349)
峠 哲男 香川大学, 医学部, 教授 (80197839)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 夜間高血圧 / 夜間排尿回数 |
研究実績の概要 |
【目的】パーキンソン病(PD)においては、自律神経障害に加え、夜間血圧に影響しうる多くの要因(睡眠障害や夜間の運動障害など)が認められることから、潜在的な夜間高血圧の存在が示唆される。本研究ではPDにおける夜間高血圧の頻度および夜間高血圧に影響を及ぼす要因について検討する。 【方法】PD 67例。臨床情報(年齢、性別、罹病期間、UPDRS Part3、Shellong test、運動合併症、薬剤)を収集し、携帯型自動血圧計(ABPM)による自由行動下の24時間血圧測定、アクチグラフによる睡眠効率、自記式質問票(PDQ39、PDSS-2、Non-motor symptom assessment for PD)による評価を行った。 【結果】ABPMの結果、dipper型21例、non-dipper型25例、reverse-dipper型21例に分類され、69%の患者が夜間の血圧異常(non-dipper型とreverse-dipper型)を有していた。各種の要因を3群間で比較したところ、夜間平均血圧、夜間脈拍、夜間脈拍変動、夜間排尿回数、日中最低血圧、PDQ39において有意な差が認められた。これらの要因を説明変数、夜間の血圧低下度を目的変数として重回帰分析を行ったところ、夜間平均血圧、夜間排尿回数、日中最低血圧が夜間の血圧低下度を規定する有意な要因として抽出された。 【結論】本研究では、心血管リスクを高める夜間高血圧が、PD患者の69%と高頻度に認められた。過去の報告では、起立性低血圧が夜間高血圧の危険因子とされるが、本研究の結果からは日中最低血圧(起立性低血圧以外に食事性低血圧や運動時低血圧を含む)の方が夜間高血圧の予測因子として優れていた。夜間頻尿は睡眠障害をきたす可能性があるが、それ以外の睡眠関連項目の結果は必ずしも夜間高血圧との関連を示さなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の評価予定症例数よりは少ないが、一定の結果を得ている。学会での発表をお呈しており、おおむね順調と考える。
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今後の研究の推進方策 |
一定の結果が得られており、今後はその意義について検討を加えていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)中間報告のための学会旅費に充てる予定であったが、研究データを処理するのに時間がかかり、学会への参加が出来なかった。
(使用計画)次年度の学会発表経費と論文作成費に組み込んで使用する予定である。
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