研究課題/領域番号 |
16K09722
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
茶谷 裕 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10772056)
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研究分担者 |
上原 平 九州大学, 医学研究院, 助教 (30631585)
重藤 寛史 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50335965)
橋口 公章 九州大学, 大学病院, 講師 (80448422) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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キーワード | てんかん / 扁桃体 / 脳磁図 |
研究実績の概要 |
近年、扁桃体腫大のみを呈し、海馬萎縮をきたさない内側側頭葉てんかん(mTLE)が、高齢発症てんかんの病態として注目されている。高齢発症てんかんは、記憶障害、易怒性などの認知情動症状を示すことが多い。これらは、情動に深く関与する扁桃体の腫大と関連している可能性があるが、明らかになっていない。その理由の一つとして、扁桃体の機能評価方法が確立していない点が挙げられる。本研究は、脳磁図(MEG)を用いた扁桃体の非侵襲的機能評価方法を確立し、mTLE患者の扁桃体機能のバイオマーカーとして応用することを目的として行った。まず、扁桃体を活性化する方法として、恐怖顔などの感情表現のある顔画像を刺激として提示し、視覚誘発磁界反応を解析することにした。健常者群を対象として解析を行い、beamformer法を用いて扁桃体の活動を推定したが、個人差が大きかった。顔画像の提示時間や空間周波数などの実験条件を工夫し、beamformerについても複数の異なる方法で解析を重ねたが同様に個人差が大きく、疾患のバイオマーカーとしては適さないという結論に至った。そこで、側頭葉由来の成分であるM170に注目した。M170は扁桃体が関与するネットワークによって修飾され、恐怖顔刺激で増大することが分かっている。健常群における恐怖顔刺激のN170に対する効果を参考値として、てんかん患者群に用い、臨床的特徴との関連を検証した。恐怖顔刺激に対する脳磁界反応が、側頭葉てんかんの機能障害のバイオマーカーとして有用である可能性が示唆された。
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