非侵襲的脳刺激法は神経科学や臨床神経学分野で有用である。我々は4連発の経頭蓋磁気刺激法(TMS)と4連発の末梢神経電気刺激とを組み合わせた新しいプロトコル(PA-QPS)を考案し、その効果を検証した。PA-QPSはTMSの刺激間隔によって、脳の神経活動性を興奮性・抑圧性の両方向に変化させることができた。また電気刺激を行うタイミングによって抑圧性効果がさらに増強されたり、効果を消失させることができた。多数例でPA-QPSの効果を検証したところ、従来のプロトコルに比べて効果的でかつ確実な抑圧性効果を誘導できることが示された。PA-QPSは運動異常疾患の病態解明や治療的応用に期待できると考えた。
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