研究課題
急性主幹動脈閉塞(emergent large vessel occlusion: ELVO)例における血栓回収療法は、発症からの時間経過のみならず虚血コアサイズと灌流異常領域との差異(ミスマッチ)によって治療適応が決定される。灌流異常は国際的にCT灌流画像での造影剤到達時間の指標であるTmaxによって評価されている。一方、日本では急性期にCT灌流画像を用いる施設は少なく、MRIが一般的に使用されている。この中で、FLAIR画像のでの血管内高信号(FLAIR hyperintense vessel: FHV)は同領域の灌流低下を示す所見として知られている。実際、平成28年度の本研究において、血栓回収療法を実施したELVOによる急性期脳梗塞59例を解析したところ、FHV陽性領域では6時間以内に有効再開通が得られても梗塞に至ることが多かった(55% vs. 32%, p=0.052)。本研究ではFLAIR陽性領域の意義を、国際標準として活用されているCT灌流画像の所見を比較し、FHVやASPECTSの関連を検討するため、今年度は複数のCT灌流ソフトウェア(Vitrea、RAPID, MIStarなど)での解析手段をセットアップした。
2: おおむね順調に進展している
FLAIR画像のhyperintense vessel sign(FHV)が灌流指標として用いることの妥当性は平成28年度に確認した。平成29年度はCT灌流画像を用いたFHVの妥当性を検証するための準備に費やした。
精度の高い灌流スコアを作成するために、裏付けとなる CT灌流評価の充実をはかる。
予定していた灌流ソフトの導入が平成30年度になったため。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件、 招待講演 7件) 備考 (2件)
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