研究課題/領域番号 |
16K09735
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
木村 円 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, トランスレーショナル・メディカルセンター, 室長 (60433025)
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研究分担者 |
渡辺 範雄 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20464563)
菅原 典夫 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, トランスレーショナル・メディカルセンター, 室長 (80431435)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 筋強直性ジストロフィー / QOL / 介護負担 / 心理社会的アプローチ / 認知行動療法 / 神経心理学的アプローチ |
研究実績の概要 |
昨年度より調査を開始したQOL調査研究に関するデータ収集を引き続き進めた。今年度に入り31名の参加者が追加され、リクルート締め切り日とした11月末日時点で合計51名の患者およびその介護者による研究参加があった。収集したデータは精査・分析し、2017年5月、10月、11月、12月に実施した研究会議にてその内容について発表し議論を行った。この間、データの中途解析結果については、2017年9月5日~9日に行われたInternational Myotonic Dystrophy Consortium Meeting (IDMC-11)にてポスター発表(Stronger focus on physical difficulties than on mental aspect in health related quality of life among Japanese myotonic dystrophy type 1 patients.)、2017年10月13日~14日に行われた第4回筋ジストロフィー医療研究会にて口頭発表(筋強直性ジストロフィー1型患者および介護者への認知行動療法プログラムの開発―その背景と経過報告―)を行った。2017年5月には、京都大学にて「慢性疾患のクオリティ・オブ・ライフを高めよう!専門家と一緒に考える心理・社会的『セルフケア』」と題して患者自身のQOLに関する意識向上を啓発するための市民公開講座を行った。難病と向き合って生きるにあたり心理・社会面のケアを患者自身とその関係者が認識することの大切さについて約50名の参加者とともに議論した。QOLデータは統計的解析を終え、患者QOLに関する一つ目の論文投稿を準備中である。介護者の負担感および患者と介護者の患者QOLに関する認識の差に関する論文も執筆を計画している。上述した研究会議においては、今回の研究結果を踏まえたCBTプログラム開発の方向性についても議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CBTプログラム開発の前段階となる評価項目の検討に関するQOL調査研究を実施、予定通りの参加者数を達成、データ収集を終了、解析した。一つ目の論文執筆は間もなく投稿可能な段階にある。介護負担および患者と介護者の症状認識の差に関するデータ解析も開始した。
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今後の研究の推進方策 |
患者のQOL、介護負担、患者と介護者の症状認識差に関する論文を国際ジャーナルへ投稿する。結果に基づきCBT介入プログラムの評価指標を設定,プログラムの具体的内容を検討していく。同時に評価者や介入者のトレーニングおよび参加者リクルートを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(差額理由)今年度残高の400千円中、170千円については2017年9月に発表を行った学会International Consortium of Myotonic Dystrophy よりトラベルアワードを獲得したため、旅費が計画と比べ減少した。残りの230千円は、論文投稿費用として計画していたが、投稿が次年度にずれ込んだため生じた。
(次年度使用計画)主に、学会発表の諸費用、論文投稿料、心理介入プログラム開発に関する研究メンバーによる会議、旅費、プログラム内容のトレーニングに関連する事務費用、謝金として使用する。
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