研究課題
パーキンソン病診断への病理学的なアプローチとして各部位の生検を実施する。それぞれHE標本を作製し、免疫染色(抗リン酸化αシヌクレイン抗体、αシヌクレイン抗体、抗ニューロフィラメント抗体等)を実施してLewy小体関連病理の発現率を部位間で比較検討する。比較検討部位として皮膚、直腸、顎下腺を挙げている。その中で一番の候補となる皮膚に対しては、すでに数例の検討がされており皮膚単独でのLewy小体関連発現率は83.3%と高値であることが示された。他の候補部位として直腸生検、顎下腺生検を検討している。直腸に関しては、解剖症例を使用しての検討を行っている。その結果により直腸生検を実施するにあたってどの部位がより生検箇所として適しているかを把握する。その上で、直腸生検を行い他の部位の生検結果と比較検討する。顎下腺に関しても同様に解剖症例を使用して検討を行った上で、生検部位や手技について耳鼻科医と整備を行っていく予定である。また、上記の病理学的なアプローチ以外のバイオマーカーとして、脳脊髄液の採取、ドパミントランスポーターSPECT、MIBG心筋シンチグラフィーを実施しており、得られた結果と生検結果とを比較検討し、バイオマーカーとして何が有意であるのかを確立する。さらに、上記検査を実施した症例が解剖される場合もあり、その際には、末梢神経系検討箇所として、顎下腺、食道胃接合部、直腸、心筋、副腎、皮膚を検索する。
3: やや遅れている
顎下腺と直腸生検を実施するにあたっての適正部位の検討が少し遅れている。生検は侵襲的な行為になるため実施するまでの整備に時間を要している。
皮膚、直腸、顎下腺各部位の生検実施症例を蓄積していく。得られた結果を、画像検査を含めた他のバイオマーカーと比較検討する。
初年度においては環境整備に時間がかかり、実際の抗体購入費用等に回せなかったため。
1)生検を実施する際に必要となる経費、2)症例蓄積に伴い得られた結果を学会や誌面に発表していく。そのために必要な経費に使用していく。
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PLoS One
巻: 12 ページ: 印刷中
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