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2018 年度 実績報告書

エクソーム解析とiPS細胞を用いた受容体後障害によるインスリン抵抗症遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 16K09750
研究機関神戸大学

研究代表者

廣田 勇士  神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80566018)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードインスリン抵抗症 / SHORT症候群 / PIK3R1遺伝子 / iPS細胞
研究実績の概要

本研究は、インスリン受容体以降の情報伝達障害によるインスリン抵抗症と考えられる症例の遺伝子解析及びiPS細胞を用いた機能解析である。発端者とその家族から得たDNAを用いてエクソーム解析を行った結果、PIK3R1遺伝子c.1945C>Tが原因遺伝子であることが明らかとなった。さらに、発端者からiPS細胞の樹立を行い、健常iPS細胞とともに、肝細胞に分化させて、インスリン作用の検討を行った。インスリン受容体の下流にあるAktについてインスリン添加によるリン酸化を解析したところ、健常iPS細胞由来肝細胞と比較して、疾患iPS細胞由来肝細胞ではインスリンによるAktリン酸化が抑制されていた。またインスリン添加によるG6PC(Glucose-6-phosphatase catalytic subunit)発現の減弱作用を比較したところ、疾患iPS細胞由来肝細胞の方がG6PC発現の減弱作用がより弱いという結果であった。以上よりこのPIK3R1変異ではインスリン作用が抑制されていることが示唆された。さらに、変異を修復することでこのインスリン作用の抑制作用がレスキューされることを検討するため、また、これまでの誘導において肝細胞の分化マーカーであるalbumin の発現量が患者iPS細胞由来肝細胞よりも健常者iPS細胞由来肝細胞の方で低くなるという傾向が認められており、細胞株によって分化誘導効率に違いがみられるという問題の解決のため、CRISPR/Cas9システムを用いてPIK3R1変異を修復する試みを行った。また、同じくインスリン感受性組織である骨格筋への分化誘導も行い、健常iPS細胞から誘導した骨格筋細胞において、インスリンによるAktのリン酸化が増強されることを明らかとした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Treatment of a case of severe insulin resistance due to a PIK3R1 mutation with a sodium-glucose cotransporter-2 inhibitor.2018

    • 著者名/発表者名
      Hamaguchi T, Hirota Y, Takeuchi T, Nakagawa Y, Matsuoka A, Matsumoto M, Awano H, Iijima K, Cha PC, Satake W, Toda T, Ogawa W.
    • 雑誌名

      J Diabetes Investig.

      巻: 9 ページ: 1224-1227

    • DOI

      doi: 10.1111/jdi.12825.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] PI3キナーゼ遺伝子異常によるインスリン抵抗症の同定と iPS 細胞を用いた障害の解析2018

    • 著者名/発表者名
      浜口哲矢、廣田勇士、松本真明、粟野宏之、飯島一誠、佐竹渉、戸田達史、青井三千代、青井貴之、小川渉
    • 学会等名
      第61回日本糖尿病学会年次学術集会
  • [学会発表] PIK3R1 遺伝子異常によるインスリン抵抗症に対する SGLT2 阻害薬の有効性・安全性の検討2018

    • 著者名/発表者名
      浜口哲矢、廣田勇士、松岡敦子、竹内健人、中川靖、岡田裕子、青井三千代、青井貴之、坂口一彦、小川渉
    • 学会等名
      第55回日本糖尿病学会近畿地方会
  • [産業財産権] 糖尿病予防又は治療剤スクリーニング方法、及び当該方法に用いる細胞2018

    • 発明者名
      小川渉、青井貴之、廣田勇士、浜口哲矢
    • 権利者名
      小川渉、青井貴之、廣田勇士、浜口哲矢
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2018-098886

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公開日: 2019-12-27  

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