研究課題
2種類の肥満・糖尿病モデルマウス肝におけるmiRNAのマイクロアレイ解析結果より、両者で発現上昇を認めたmiRNAよりmiR-222に注目し研究を開始した。我々は肥満・糖尿病モデル動物として、過食をもたらすGold thioglucoseを投与後に高ショ糖高脂肪食を与えたマウスを使用した。まず本マウス肝において実際にmiR-222の発現が増加していることを確認、次にmiR-222を過剰発現させた肝細胞でインスリン刺激によるAktリン酸化の減弱を確認した。In silico解析でmiR-222の標的遺伝子を検索しインスリンシグナルを担う主要分子の1つであるIRS-1が標的遺伝子となる可能性を見出した。IRS-1 mRNAの3'非翻訳領域(3'UTR)を組み込んだルシフェラーゼベクターを作成、培養細胞にmiR-222と共発現させたところ、ルシフェラーゼ活性の低下を認め、これはmiR-222とIRS-1の直接結合を示唆した。さらに3'UTRのmiR-222結合部位に変異を導入したレポーターベクターを作成し、同様の実験を行ったところ、ルシフェラーゼ活性の低下を認めなかった。本結果もmiR-222とIRS-1の直接結合を支持する結果となった。また我々の肥満・糖尿病モデルマウス肝においてIRS-1の発現低下を確認した。以上より、肥満による肝でのmiR-222発現増加がIRS-1の発現抑制を介してインスリンシグナルを負に制御していることを証明した。
2: おおむね順調に進展している
おおむね計画通りに進んでいる。
今後も計画通りに研究を進めていく予定である。
ごくわずかで次年度の物品費に充てる。
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PLoS One
巻: 13 ページ: e0191553
10.1371/journal.pone.0191553