研究課題
Insulin-eGFP; Insulin-DsRed-E5 double transgenic mouse (以後new Insulin-Timer マウスと呼ふ)の胎生期膵島をex vivoで培養し、live imagingを撮影した結果、緑色蛍光(+); 赤色蛍光(-)の細胞は8時間以内に赤色蛍光を呈するようになった。また全ての緑色蛍光細胞はインスリン抗体を用いた免疫染色で標識されることから、緑色蛍光(+);赤色蛍光(-)の細胞はtime window 8 時間で標識される新生β細胞であることが明らかとなった。蛍光顕微鏡において新生β細胞の位置情報を解析した結果、全ての新生β細胞は、①膵管に近接した“βduct細胞”と、②膵管領域から離れ血管に近接した“βvessel細胞”のいずれかに分類され、膵管・血管両者から離れた領域に新生β細胞は検出されなかった。またnew Insulin-Timerマウス胎生膵の凍結切片において抗Mafa抗体, 抗Mafb抗体を用いた免疫染色を行ったところ、Mafa陽性細胞はβvessel細胞に、Mafb陽性細胞はβduct細胞に多く認められた。次に新生β細胞を単離し、single-cell RNA sequencing(scRNA-seq)解析により個々の細胞の遺伝子発現プロファイルを網羅的に解析した結果、新生β細胞は遺伝子発現プロファイルの異なる5つの細胞集団に分類されることが明らかとなった。このように顕微鏡上でのspatiotemporal analysisと、scRNA-seqによるunbiasedなトランスクリプトーム解析を組み合わせることにより、細胞分化のtemporal heterogeneityを新たな角度から捉えなおすことができる。
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EBioMedicine
巻: 36 ページ: 358-366
doi: 10.1016/j.ebiom.2018.09.035.