研究課題/領域番号 |
16K09770
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
金藤 秀明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80448034)
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研究分担者 |
小畑 淳史 川崎医科大学, 医学部, 助教 (10771298)
木村 友彦 川崎医科大学, 医学部, 助教 (50454830) [辞退]
下田 将司 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60388957)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 新規糖尿病治療薬 / インスリン転写因子 / インクレチン受容体 / SGLT2阻害薬 / ブドウ糖毒性 |
研究実績の概要 |
インスリン遺伝子の転写因子やインクレチン受容体は膵β細胞において極めて重要な役割を果たしているが、それらの発現は糖尿病状態において低下し、これが臨床的にもしばしば認められる高血糖毒性に深く関連している。本研究においてはインスリン遺伝子の転写因子(MafA, PDX-1)およびインクレチン受容体(GLP-1, GIP受容体)の発現を直接的に増加させる薬剤および因子に関して小分子化合物ライブラリーを用いて網羅的に検索し、膵β細胞高血糖毒性の分子機構に基づいた新規糖尿病治療薬開発を目指して検討している。 これまでに既に、膵β細胞株 MIN6 において小分子化合物ライブラリーを用いたスクリーニングを行い、MafA や PDX-1 の発現を増加させる因子を複数個同定している。今後さらにスクリーニングを進めていくとともに、既に同定された薬剤に関しては、単離膵島での検討、また MafA や PDX-1 の蛋白量の検討などを行う。インクレチン受容体に関しても、膵β細胞株 MIN6 において小分子化合物ライブラリーを用いたスクリーニングを行い、その発現を増加させる因子を複数個同定している。今後さらにスクリーニングを進めていくとともに、既に同定された薬剤に関しては、単離膵島での検討、また蛋白量の検討などを行う。 さらに、SGLT2阻害剤での検討も進めており、早期投与すれば MafA, PDX-1 などの発現が増加することをすでに確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
膵β細胞株 MIN6 において小分子化合物ライブラリーを用いたスクリーニングを行い、インスリンの転写因子やインクレチン受容体の発現を増加させる因子を複数個同定できており、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後さらに膵β細胞株 MIN6 において小分子化合物ライブラリーを用いたスクリーニングを進めていき、また既に同定された薬剤に関しては、単離膵島での検討、また蛋白量の変化などの検討などを行う。 SGLT2阻害薬を用いた検討に関しては、糖尿病の病態の早期と進行期での効果の違いを検討して、どのような段階で投与すれば上記の種々の因子(インスリンの転写因子MafA, PDX-1およびインクレチン受容体)の発現が増加しやすいかを詳細に検討する。
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