2型糖尿病の膵島病理の特徴としてβ細胞減少、α細胞増加、アミロイド沈着がある。これらの変化が糖尿病の病態や予後にいかに関与するかは分かっていない。本研究では、剖検で得られた2型糖尿病の膵標本60例を用いアミロイド蓄積状況と膵島内分泌細胞変化を検討し、臨床病態といかに関わっているかをみた。アミロイドをチオフラビン染色で、内分泌細胞を免疫4重染色にて同定しそれらを組織定量的に解析した。その結果、アミロイド沈着はβ細胞、α細胞をともに減少させ、膵島の内分泌細胞リモデリングを干渉していた。すなわち、アミロイドは膵島微小環境を破壊し、膵島予備能を減少させ、2型糖尿病の病態を悪化させている可能性を示した。
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