研究課題
当プロジェクトの分担研究者である久留米大学の米本孝二講師(現 琉球大学特命教授)との共同研究で、当プロジェクトと並行して、主成分分析を基に新規の食事パターンスコア計算式の開発が進行中である。まだ予備的な成果の段階ではあるが、新規の食事パターンスコアとメタボリック症候群発症との関連性が、縮小ランク回帰分析に基づく食事パターンスコアとメタボリック症候群発症との関連性より強い可能性が示唆された。そこでメタボリック症候群発症予防に向けた臨床応用を出口に見据え、この新規の食事パターンスコア計算式を用いて研究・開発を行う方針とした。当プロジェクトにおいては、食事パターンスコアに基づく栄養指導のニーズの調査と、将来の介入研究に向けた態勢づくりを行った。栄養指導のニーズの調査においては、事業所において有料栄養指導サービスを提供することを念頭に、事業所経営者より希望する栄養指導サービス像のヒアリングを行った。また介入研究の体制づくりとして、医療職従事者が事業所に出向き、生活習慣の改善に向けた指導を行い、その効果と持続性の検証を行った。
2: おおむね順調に進展している
並行するプロジェクトで、臨床応用により適する可能性の高い食事パターンスコアを見出すことができている。これに徳島における縦断解析のデータを次年度投入してスコアとメタボリック症候群発症との関連性を確立し、さらに最終年度に介入研究を行うことで有効性を評価する見通しであり、計算式の修正はあるものの、当初の計画通りに研究が進展しているといえる。
琉球大学特命教授の提案する食事パターンスコア計算式に、徳島におけるベースラインの栄養疫学データを投入し、メタボリック症候群発症に関する追跡結果との関連性を評価する。更に食事パターンスコアを改善させる栄養指導を行い、介入によって代謝状態が改善することを確認するパイロット研究を行う。
当初使用予定であった縮小ランク回帰分析に基づく食事パターンスコアに比較し、更に高い精度の食事パターンスコアの開発状況が共同研究先よりもたらされ、後者に基づく研究開発により実用性があると考えられた。そこで何れの食事パターンスコアにおいても必要となる、介入研究を実施するための準備、および食事パターンスコアに基づく栄養指導の需要の調査を行ったが、そのために要する金額が当初の予定を下回ったため。
食事パターンスコアに基づく栄養指導の有用性を検証するためには介入研究が必要であり、その規模が大きいほど精度が上がる。従って介入研究の規模拡大に用いる予定である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
Int J Mol Sci.
巻: 18 ページ: 印刷中
10.3390/ijms18040836