研究課題
当プロジェクトの分担研究者である琉球大学の米本孝二特命教授との共同研究を通じ、メタボリックシンドローム発症を予測する食事パターンスコアの開発を目指している。その中で、本プロジェクト開始時の予備的成果であった縮小ランク回帰分析に基づく食事パターンスコアに比較し、主成分分析に基づく食事パターンスコアを用いる方が、メタボリックシンドローム発症の有無とより強く関連することが28年度の研究で示唆された。そこで29年度は、徳島における前向き追跡のデータを用い、より高いメタボリック症候群発症予測能をもつ食事パターンスコアの開発を行った。さらにこれまでの研究開発においては、各被験者の食習慣は時間を経ても大きく変化しないという前提で、ベースラインにおける食事調査データから食事パターンスコアを計算し、4-5年後のメタボリックシンドローム発症の予測を目指している。しかし食事指導による積極的な介入などなく自然経過によって食習慣が時間と共に大きく変化する場合、ベースラインの食事パターンスコアによるメタボリックシンドローム発症予測能が大きく制限される危惧がある。そこでこの前提の妥当性検証のため、食習慣の時系列変化の有無の検証も29年度に開始した。
2: おおむね順調に進展している
当プロジェクトの分担研究者である琉球大学の米本孝二特命教授が平行して行っているプロジェクトにて、主成分分析に基づく食事パターンスコアの計算法開発が順調に進んでおり、当プロジェクトより徳島における前向き追跡のデータの提供を行ったができている。さらに予備的成果である縮小ランク回帰分析に基づく食事パターンスコアを用い、各被験者の食事パターンスコアの経年変化の振れ幅を解析が始まっている。
琉球大学側で開発する主成分分析に基づく食事パターンスコアを用い、1) メタボリックシンドローム発症の有無との関連性、2) 食事パターンスコアの時間的安定性を確立する。更にこれらに基づき、食事指導介入のパイロット研究の開始準備を行う。
(理由)主成分分析に基づく食事パターンスコアの計算法開発および徳島における前向き追跡のデータの適用が順調に進んでおり、要した資金が当初の予算を下回ったため。(使用計画)食事パターンスコアの信頼性確保に向け、スコアの時間的安定性の検証のための解析が必要であり、そのために用いる予定である。
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J Med Invest
巻: 65 ページ: 74-80
10.2152