研究課題/領域番号 |
16K09790
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
池脇 克則 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 内科学, 教授 (40287199)
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研究分担者 |
塩谷 一紗 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 内科学, 助教 (20773641)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | シトステロール血症 / トレーサー / 安定同位体 / アポ蛋白B |
研究実績の概要 |
申請者が外来加療中のシトステロール血症患者に安定同位体を使ったトレーサー検査を実施した。患者は28歳男性で、ABCG5のexon7 19 base insertionとexon9 R408Xのcompound heterozygoteである。総コレステロール/中性脂肪/HDL-C/LDL-C=187/249/27/110mg/dlで血清植物ステロール濃度はsitosterol 99.7mg/dlと著明に上昇していた。安定同位体を使ったトレーサー検査では、安定同位体ラベルロイシンを静注して72時間後まで頻回に採血した。血漿を超遠心してリポ蛋白を分離後イソプロパノールにてアポ蛋白Bを沈殿させた。その後塩酸分解、修飾後GC-MSにてtracer/traceeを測定した。代謝パラメーター算出はSAAMIIを使用した。その結果、VLDLアポ蛋白Bの異化速度(fractional catabolic rate, FCR)は1.61pools/d(コントロールの平均7.06pools/day)、合成速度(production rate, PR)は4.25mg/kg-day(同10.58mg/kg-day)、IDLアポ蛋白B FCR 5.65pools/day(同8.94pools/day)、PR 10.85mg/kg-day(同12.47mg/kg-day)、LDLアポ蛋白B FCR 0.29(同0.42pools/day)、PR 10.07mg/kg-day(同12.47mg/kg-day)であった。現時点では、VLDL、IDL、LDLアポ蛋白Bの異化遅延の傾向がある。今後、さらにシトステロールホモ接合体患者でのトレーサー検査を行い、今回得られた所見と比較検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者が外来加療中のシトステロール血症患者の同意を得てトレーサー検査を実施できた。今回VLDL、IDL、LDLアポ蛋白Bのtracer/tracee測定とSAAMIIを使ったコンパートメントモデル解析は終了し、現在HDL代謝(アポ蛋白A-I、A-II)とVLDL glycerolのtracer/tracee測定を行っている。本患者は著明な低HDL血症があるため、シトステロール血症患者における低HDL血症原因の解明に重要な知見が得られることが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
次年度では、シトステロール血症の兄弟例(16歳男性、18歳女性)に対して担当主治医から同意を取得してトレーサー検査を実施する予定である。この兄弟例は、本年度券さえを実施した上記患者と一部異なる脂質プロフィールを呈している。すなわち、中性脂肪(69、55mg/dl)とHDL-C(53、62mg/dl)は正常範囲であるが、LDL-Cは高値(177、149mg/dl)である。新たな代謝知見が得られるものと期待される。
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次年度使用額が生じた理由 |
科研費を使った旅費の一部が残額を超えたため次年度に繰り越しになり結果として次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、学会旅費と物品費に使用する予定である。
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