研究課題
新たに作出する計画となっていた2種のマウスについては、腸管上皮特異的XORKOマウスをvillin-Creマウスを得て作出したところ、非常に低い繁殖率となっている。脂肪細胞特異的XORKOマウスはaP2-Creマウスを得て作出し、糖負荷、インスリン負荷を行っているが通常食では変化がない。このマウスと、他のマウスにおける代謝の違いについて現在検討を進めている。マクロファージ特異的XORKOマウス、血管内皮特異的XORKOマウス、肝細胞特異的XORKOマウスにを含めた糖代謝、ROS産生についての特徴について現在集約を行っている。ROS産生に関しては細胞系列による検討では肝とマクロファージではH2O2の産生パターンに差異が見られ、肝ではブドウ糖・果糖ともにH2O2を産生するが、マクロファージでは高血糖では全くH2O2産生の亢進が見られていなかったが、動物での検討では高SucroseにしたときのROS産生の増加はマクロファージXORKOを抑制したときのみ生じた。マクロファージの単離モデルからは、マクロファージXORKOのみM2マクロファージ様の特性を持つことが明らかとなっている。またインスリン抵抗性についても他と比してもマクロファージXORが重要ということが明らかとなってきている。これらの結果について、2017年の第60回日本糖尿病学会、2016年の国際血管生物学会をはじめとして多数の学会で発表を行った。
2: おおむね順調に進展している
腸管上皮特異的XORKOマウスをvillin-Creマウスを得て作出したところ、非常に低い繁殖率となっている。特にオスの生育がほとんどないため、腸管上皮でのXORの働きが生育にとって非常に重要である可能性が示唆される。他のマウスに関しては順調に繁殖するため、代謝・機能面における検討を順調に進めて行っている。
腸管上皮特異的XORKOマウスに関しては、当初の代謝・機能面での検討は、別途タモキシフェン誘導によるconditional KOを検討しているが、現在作出したマウスでも帝王切開などで発生における腸でのプリン体代謝を検討することとしている。他のマウスでは、生活習慣病モデル動物の病態変化の解析を予定通り実施する。
5系統のマウスのうち、腸管上皮XORKOマウスが生育しないことが明らかとなり、この系統のマウスのみは別の解析にまわすこととし、その分の支出は来年度使用する計画とした
5系統のマウスのうち、腸管上皮XORKOマウスの解析に必要な分の試薬などに使用する。
すべて 2016 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
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