自然免疫RIG-Iは、インフルエンザウイルス(Flu)を感知して、インターフェロン(IFN)を産生し生体防御に働く。グルココルチコイドホルモン(GC)は、RIG-Iの過剰活性を抑制する。本研究では、細胞内GC代謝酵素11b-HSD1によるRIG-I抑制機構を明らかにした。11b-HSD1は、Flu感染により誘導され、不活型GCを活性型に変換し、IFNを特異的に抑制する。さらにGCとRIG-Iは協調的に11b-HSD1の発現を上昇させ、自律的にRIG-Iシグナルを抑制する。自然免疫と細胞内GCシグナルには、密接なネットワークが存在し、Flu感染に対して協調的に生体防御に働くことが明らかになった。
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