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2018 年度 実施状況報告書

行動発現の神経基盤を制御する甲状腺ホルモン作用の新機軸

研究課題

研究課題/領域番号 16K09793
研究機関東北大学

研究代表者

内田 克哉  東北大学, 情報科学研究科, 助教 (40344709)

研究分担者 井樋 慶一  東北大学, 情報科学研究科, 教授 (60232427)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード甲状腺ホルモン / 発達障害 / サーカディアンリズム / パルブアルブミン / MeCP2
研究実績の概要

昨年度の成果から、生後14日以内に甲状腺ホルモン欠乏を経験したマウスでは、自発運動の異常やタウ時間の短縮が観られた。さらに詳細にマウスの活動レベルを解析したところ、活動期(暗期)には2峰性の活動ピークが観察され、かつ中頃には活動レベルが低下するシエスタが観察されるが、甲状腺群では、このような規則性が明瞭ではなく、シエスタは活動期の後半に移行し更にはその期間が短く、かつ第2ピークが減じる傾向にあった。しかし出生直後からT4を継続して投与された甲状腺群(抗甲状腺飲水群)では対照群のそれと同様で、2峰性のピークと中頃にシエスタが観察された。また恒暗条件下で光パルスによる位相変化を調べたところ各実験群同様に2時間強の位相後退が観察され、光同調系には問題が認められなかった。現在は視交叉上核を中心とした発振系を重点的に解析対象として、研究を進めている。
一方、胎生17日から生後14日まで甲状腺ホルモン合成を阻害したマウスでは methyl CpG-binding protein2 (MeCP2)発現が著しく低下することが明らかになったため、試験的に、体性感覚野を中心に吻尾側方向にMeCP2発現細胞数のカウントを行なった。正常マウスに比べて甲状腺群では、体性感覚野内では均一に陽性細胞数の低下が観察され、領域特異的にその発現が低下してはいなかった。現在、その他の領野についての解析を進めるとともに、層形成に重要な役割を演じている分子についても解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

ディープフリーザーの故障による保存していた解析サンプルが融解したため、再度サンプリングを行なっているため。

今後の研究の推進方策

再度のサンプリングを行い年内に研究成果をまとめることを目標とする。

次年度使用額が生じた理由

超低温フリーザーの故障によりサンプル融解が生じ他ことに加えて、クリオスタット の故障で次実験が大幅に遅延したため、期間延長を申請した。次年度繰越額に関しては当初計画どおりに使用する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Female-Biased Sexual Dimorphism of Corticotropin-Releasing Factor Neurons in the Bed Nucleus of the Stria Terminalis2019

    • 著者名/発表者名
      Katsuya Uchida, Hiroko Otsuka, Masahiro Morishita, Shinji Tsukahara, Tatsuya Sato, Kenji Sakimura, Keiichi Itoi.
    • 雑誌名

      Biology of Sex Differences

      巻: 10(6) ページ: 1-11

    • DOI

      doi.org/10.1186/s13293-019-0221-2

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] メチマゾール誘発一過性甲状腺機能低下症マウスの行動試験と安静時脳機能結合の解析2018

    • 著者名/発表者名
      吉田 侑冬, 内田 竜生, 内田 克哉, 井樋 慶一, 中尾 光之, 片山 統裕
    • 雑誌名

      信学技報

      巻: MBE2018-33 ページ: 31-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Genome-wide analysis of glucocorticoid-responsive transcripts in the hypothalamic paraventricular region of male rats2018

    • 著者名/発表者名
      Keiichi Itoi, Ikuko Motoike, Ying Liu, Sam Clokie, Yasumasa Iwasaki, Katsuya Uchida, Tatsuya Sato, and Greti Aguilera
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 25 ページ: 38-54

    • DOI

      doi.org/10.1210/en.2018-00535

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 「ゴルジ染色」2018

    • 著者名/発表者名
      内田克哉
    • 雑誌名

      脳科学辞典

      巻: 0 ページ: 1

    • DOI

      doi.org/10.14931/bsd.7511

    • 査読あり
  • [学会発表] 幼若期の一時的な甲状腺ホルモン欠乏が成体マウスのサーカディアンリズム の形成を撹乱する2018

    • 著者名/発表者名
      内田克哉、蓮岡健太郎、井上梨香、守屋孝洋、小林健一、佐藤達也、 井樋慶一
    • 学会等名
      第34回日本甲状腺病態生理研究会
  • [学会発表] 分界条床核コルチコトロピン放出因子含有ニューロンの性差2018

    • 著者名/発表者名
      内田克哉、大塚寛子、森下雅大、塚原伸治、佐藤達也、井樋慶一
    • 学会等名
      第91回日本内分泌学会
  • [学会発表] 幼若期の甲状腺ホルモンの欠乏はマウス大脳皮質感覚野におけるmethyl-CpG binding protein 2発現を低下させる2018

    • 著者名/発表者名
      内田克哉、蓮岡健太郎、守屋孝洋、小林 健一、井樋慶一
    • 学会等名
      第89回日本動物学会
  • [学会発表] マウス甲状腺機能低下症モデルの大脳皮質感覚野におけるmethyl-CpG binding protein 2発現低下に関する報告2018

    • 著者名/発表者名
      内田克哉、蓮岡健太郎、守屋孝洋、小林 健一、井樋慶一
    • 学会等名
      第61回日本甲状腺学会
  • [学会発表] メチマゾール誘発一過性甲状腺機能低下症マウスの行動試験と安静時脳機能結合の解析2018

    • 著者名/発表者名
      吉田 侑冬, 内田 竜生, 内田 克哉, 井樋 慶一, 中尾 光之, 片山 統裕
    • 学会等名
      電子情報通信学会ニューロコンピューティング研究会(NC)MEとバイオサイバネティックス研究会(MBE)

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公開日: 2019-12-27  

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