DPP-4阻害薬はインスリンシグナルの減弱化の改善を介して膵β細胞保護に寄与すると考えられた。早期SGLT2投与db/dbマウスではAgr2、Tff2、Gkn3遺伝子発現上昇により膵β細胞量保持のlegacy effectに寄与している可能性が考えられた。また、GCN2は高脂肪食負荷による過栄養の際、プロインスリンmRNAの翻訳が亢進すると活性化され、SESN2の発現低下によるmTORC1活性の亢進を介して膵β細胞量維持が破綻する可能性が示唆された。すなわち本研究は、2 型糖尿病候補遺伝子GCN2のSNPを有する患者が過食による膵β細胞不全を未然に防ぎうる手段を講じることに役立つと考えられた。
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