研究課題
グレリンとデスアシルグレリンの消化管ホルモンへの影響を明らかにするため、本年度は、野生型マウスを用いたin vivoでの検討、マウス小腸上皮細胞初代培養系を用いたin vitroでの検討、グレリン過剰発現遺伝子改変動物の準備を行った。In vivoの系においては、まず、マウスへグレリンを100μg/kgで皮下注射し、GLP-1分泌への影響の検討を行った。負荷後のGLP1濃度は、生食群 vs グレリン群で、1.06±0.13 vs. 1.10±0.12であり、有意な差は認めなかった。今後、他のホルモンに関しても検討を行っていく予定である。In vitroの系においては、マウス小腸上皮培養系を用いて、グレリンおよびデスアシルグレリン100nM添加の影響を検討した。グレリン添加2時間で、Preproglucagon、PYY、GIP、CCK mRNA発現を検討したが、有意な差は認められなかった。今後、分泌についての影響も検討を行っていく予定である。遺伝子改変マウスに関しては、全てのマウスが胚凍結状態であることから、解凍、繁殖の必要があり、また飼育スペースや人員、費用のキャパシティの問題から、同時に複数ラインの解凍は困難であることから、現在、デスアシルグレリン過剰発現マウスを解凍、繁殖中である。
3: やや遅れている
遺伝子改変動物に関しては、解凍繁殖に時間がかかるため、当初の計画に比べてやや遅延が認められるが、それを補うために、in vivoでの野生型マウスを用いた実験系や、in vitroでの初代培養系の構築に成功し、検討を開始した。
遺伝子改変動物に関しては、飼育スペースの問題や、繁殖スピードの問題はあるが、可能な限り効率的に運用することで研究実施の迅速化を図り、また、他の実験系を併用することでも当初の目的を遂行することを目指す。
予定より物品費の使用が少なくなった。
次年度に物品費として使用する。
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FEBS Lett
巻: 590 ページ: 992-1001
Am J Respir Crit Care Med
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