研究課題
最終年度には、主にSAP-ghrelinトランスジェニックマウスの解析を行った。SAP-ghrelin トランスジェニックマウスは、Serum amyloid-P promoterでグレリンcDNAを肝臓で過剰発現するトランスジェニックマウスであり、血中グレリン濃度は、活性型には差がないものの、デスアシルグレリンが対照の約5.7倍に上昇していることを昨年までに確認している。体重、摂食量には差が無く、経口糖負荷試験では、血糖曲線のAUCは有意にSAP-ghrelin トランスジェニックマウスにおいて低かった。糖負荷試験時に、負荷後30分で、血中インスリン濃度、血中GLP-1濃度、血中GIP濃度を測定したが、有意な差は認めず、耐糖能の改善は、少なくともインクレチン分泌刺激を介したものではないことが示唆された。消化管におけるGIP、preproglucagon、CCK、PPY mRNA発現の検討も行ったが、有意な差は認めず、デスアシルグレリンの慢性上昇は、消化管ホルモン発現に影響しないことが示唆された。。耐糖能の改善に関しては、肝でのPEPCK発現、glucokinas発現の検討も行ったが有意な差は無く、少なくとも肝でのインスリン感受性の改善によるものではないと考えられた。全体を通じた検討で、野生型マウスへのグレリンの皮下注射では、インクレチン分泌に影響はなく。マウス小腸上皮細胞へのグレリン添加実験では、GIP、preproglucagon、PYY、CCK発現に影響はなく、グレリンあるいはデスアシルグレリンが消化管ホルモンの分泌や発現に影響を与えるという結果は得られなかった。
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