研究課題
本研究では、Gタンパク質共役受容体(GPCR)シグナル伝達の細胞内/細胞間クロストークを解明し、シグナル制御に基づく治療法開発を展望している。1)Gs・Gq/13共役受容体間のGPCRシグナルクロストーク:本シグナルクロストークは、種々の生理機能の巧緻調節に関与することが明らかとなってきている。本研究では、(1) 内分泌疾患で発見されたGs共役GPCR変異の機能異常を解析し病態の分子メカニズムを明らかにするとともに、これをrescueする薬理学的シャペロンとして機能する薬剤の作用メカニズムを解析し(Vitam & Horm 2019)、さらにこれらの知見を基盤とした臨床研究による解明を継続中である。(2) Gq/i/13共役受容体に作用する疾患原因自己抗体の作用メカニズム解析と受容体に対するpositive allosteric modulator (PAM)による治療的制御を臨床・研究両面で明らかにし(JCI Insight 2019)、現在さらに疾患とその解析データの蓄積を継続している。2)GRK2ニトロシル化とメタボリックシンドローム(METS)モデルでのシグナルクロストーク:私共はGPCRの脱感作に関与するGRK2のニトロシル化による抑制を明らかにしてきた。今年度は、(1) 脂肪細胞を中心とするシグナルクロストークの解析を基盤に、(2)ニトロシル化誘導化合物アナログによる脂肪分解作用を細胞およびマウス動物実験で解析中である(学会発表、特許申請へ)。3)構造解析進歩に基づくメカニズム解明と制御ツール展望:GPCR活性化モデルと疾患変異解析を統合して作用分子メカニズムのin silico解析を継続しており(経過学会発表)、今後の制御ツール作成を展望している。
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