研究課題/領域番号 |
16K09817
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研究機関 | 東京都立小児総合医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
長谷川 行洋 東京都立小児総合医療センター(臨床研究部), なし, その他 (70172898)
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研究分担者 |
加藤 朋子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 研究員 (10638802)
高田 修治 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, システム発生・再生医学研究部, 部長 (20382856)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 性分化 |
研究実績の概要 |
作出した遺伝子AおよびBの 両アリル欠失マウス、両アリル変異マウスを成獣期において、肛門-生殖間距離および精巣重量の測定を行った。両アリル欠失マウスおよび両アリル変異を持つマウスは、A、Bともに野生型との間に明瞭な差は見られなかった。 遺伝子Bにおいては精巣、精巣上体のHE染色を行った。遺伝子B両アリル欠失マウスでは、野生型との差は認められず、性分化は正常に行われていた。一方、遺伝子B両アリル変異マウスにおいては、1頭で精巣において形成異常と思われる構造が認められた。1頭のみでは構造異常の原因が遺伝子B変異によるものか不明である。そのため、遺伝子B変異マウスにおいては今後10頭解析し、今回の構造異常が遺伝子Bの変異によるものかを検討していく。 また遺伝子AおよびBの 両アリル欠失マウス、両アリル変異マウスにおいて、胎生期の性腺での組織学的、免疫学的解析を行うために必要な頭数が得られた。今後これらのマウスを用いて、胎生期の性腺での解析を行っていく。
なお、平成30年度に入り、発端者の家系のなかにもう一名の罹患者が存在していることが判明している。この1名を加え、罹患者2名、非罹患者6名のExome解析を計画している。詳細については後述の「研究の今後の推進方策」を参照いただきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に記載した候補の二つの遺伝子についてマウスの表現型、組織レベルでの解析がほぼ予定通り行われている。平成30年度の最終年度については最終的な確認として、遺伝子AおよびBの 両アリル欠失マウス、両アリル変異マウスにおいて、成獣での組織学的な検討を完了し、胎生期の性腺での組織学的、免疫学的解析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝子AおよびBの 両アリル欠失マウス、両アリル変異マウスにおいて、成獣での組織学的な検討、胎生期の性腺での組織学的、免疫学的解析のすべてに異常が見つからなかった場合、当初の計画書には述べていない以下の家系を利用した解析を行う予定である。
平成30年度に入り、発端者の家系のなかにもう一名の罹患者が存在していることが判明している。この1名を加え、罹患者2名、非罹患者6名のExome解析を予定している。これまでは、すでに研究計画書に説明したように、罹患者1名とその両親のトリオのExome解析を行い、その結果と野生型およびSryノックアウトマウスでの胎生期性腺の発現の雌雄差との比較から、候補遺伝子としてもっとも可能性の高いもの二つを選択してきた。ヒト家系で二人目の罹患者が出たことから、ヒトExome解析の結果のみからもより可能性が高いものの候補を検討できる可能性があり、家系の解析は倫理委員会が申請後に行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子解析、ライブラリー作成費用は20万以上を要したが、まさに年度をまたぐ研究であったことと、この金額に相当する残額がないことから平成30年度の予算を使用する予定とした、
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