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2018 年度 実施状況報告書

転写因子GATA-2による造血微小環境の維持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K09819
研究機関東北大学

研究代表者

沖津 庸子  東北大学, 医学系研究科, 助教 (80451558)

研究期間 (年度) 2016-01-27 – 2020-03-31
キーワードGATA-2 / 間葉系幹細胞
研究実績の概要

再生不良性貧血は造血細胞の減少と脂肪髄という特徴的所見を呈する難治性の造血不全症である。転写因子GATA-2は造血幹細胞及び間葉系幹細胞(MSC)の機能において重要な役割をもつが、近年申請者らのグループはこの両者における転写因子GATA-2の発現低下が、造血細胞の減少と脂肪髄という二つの異常形質をもたらすことを見出した。本研究では間葉系幹細胞特異的Gata2ノックアウトマウスの解析を通じて、再生不良性貧血の病態の一端を解明することを目的とした。
まずMSC選択的Gata2ノックアウトモデルとして,Gata2fl/fl/Nes-CreERマウス、Gata2fl/fl/Prx1-Creマウス、Gata2fl/fl/Lepr-Creを作製し、その造血機能への影響の解析を行ったが、いずれのマウスにおいても有意な変化は見られなかった。次のモデルとして、全ての細胞でGata2をノックアウトできるGata2fl/fl/ER-Creマウスに対して正常骨髄を移植することにより,骨髄微小環境側でGata2のノックアウトを行った。その解析の結果,骨髄微小環境でGata2をノックアウトすると,骨髄造血前駆細胞比率のうち骨髄球系共通前駆細胞 (common myeloid progenitor; CMP) が有意に低下し,リンパ球系共通前駆細胞 (common lymphoid progenitor; CLP) が上昇する傾向を認めた。この結果から、機序は不明であるがMSCにおいてもGata2がHSCの分化調節に関与している可能性が考えられた。さらにGata2ノックアウトMSCを用いたGATA2制御遺伝子発現プロファイル解析では、細胞接着や走化性などに関わる遺伝子群の発現低下を認め、Gata2がMSCの持つHSCニッチとしての機能を制御している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

間葉系幹細胞におけるGATA-2が造血の支持に関わる所見を見出し、論文報告をしているため。

今後の研究の推進方策

間葉系幹細胞におけるGATA-2が造血の支持に関わるものの、造血細胞以外の全細胞でGata2をノックアウトしているため、MSCの構成成分以外の細胞の関与も否定できない。そこで、前述のMSC特異的プロモーターを組み合わせることで検討を追加する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新たなマウスを購入する予定

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Establishment of a screening system to identify novel GATA-2 transcriptional regulators2018

    • 著者名/発表者名
      Ohashi K, Fujiwara T, Onodera K, Saito Y, Ichikawa S, Kobayashi M, Okitsu Y, Fukuhara N, Onishi Y, Harigae H
    • 雑誌名

      Tohoku J Exp Med

      巻: 244 ページ: 41-52

    • DOI

      10.1620/tjem.244.41

    • 査読あり
  • [学会発表] Establishment of a screening system to identify novel GATA-2 transcriptional regulators2018

    • 著者名/発表者名
      Ohashi K, Fujiwara T, Onodera K, Saito Y, Ichikawa S, Kobayashi M, Okitsu Y, Fukuhara N, Onishi Y, Harigae H
    • 学会等名
      第80回日本血液学会総会

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公開日: 2019-12-27  

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