人工染色体ベクター(HAC)は、宿主ゲノムを破壊することなく自立複製する極小染色体で、遺伝子搭載サイズに制限がないため、血友病A に対する安全な再生補充療法を実現する上で最適なベクターである。 申請者は最近、血友病マウスモデルから初期化遺伝子搭載HAC によるiPS 細胞取得に成功した。さらに複数コピーの第Ⅷ因子発現ユニット搭載HAC 構築にも成功した。本研究では、このHAC に対し、長期モニタリングを可能にするレポーター遺伝子をHAC に追加搭載する。さらにこのHAC をすでに取得した血友病モデルマウス由来iPS 細胞に移入し、肝芽細胞や血管内皮前駆細胞に分化誘導後、同モデルマウスに移植後治療効果を評価する。本研究はヒトでのHAC を用いた再生補充療法実現の礎となる。
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