研究課題
先天性角化不全症(DKC)は特徴的身体的所見を伴う先天性の骨髄不全症である。DKCはテロメアを制御する遺伝子群の異常によって発症をすると考えられているが、その約40%の症例は原因遺伝子が同定されていないことが問題である。研究代表者の山口博樹は原因遺伝子が同定されていないDKC症例に対して次世代シークエンサーを用いて新規原因遺伝子の探索を行った。その結果としてテロメラーゼ複合体遺伝子群の1つであるTEP1、Shelterin複合体遺伝子群の1つであるACD(TPP1)、DNAヘリカーゼ遺伝子群であるBLMとPIF1、WRN とRECQL4に新規の遺伝子変異を同定した。本研究はこれら新規に発見された遺伝子変異がどのようにして細胞内のテロメア短縮補正を破綻させDKCの病態に関与しているかを解明することが目的である。今年度は、昨年度に引き続き、各遺伝子変異の機能解析を行うにあたり、HAP1細胞株のknockdown 細胞株の作成を試みた。新たなCRISPER Cas9システムにより目的の遺伝子改変が行われたことを塩基配列上確認したが、定形外翻訳により予期されていない蛋白が出現しているため、目的のknockdown細胞の作成に難渋している。
3: やや遅れている
新たなCRISPER Cas9システムにより目的の遺伝子改変が行われたことを塩基配列上確認したが、定形外翻訳により予期されていない蛋白が出現しているため、目的のknockdown細胞の作成に難渋している。現在定形外翻訳が起こりにくい箇所での遺伝子改変を行い、knockdown細胞の作成を行っている。
今後の方針としては、TEP1、ACD遺伝子をknockdownしたHAP1細胞株を作成に成功すれば、各遺伝子変異を発現するレトロウイルスベクターやTEP1、ACDを認識する抗体などの準備はできているためTEP1遺伝子変異やACD遺伝子変異がどのようにして細胞内のテロメア短縮補正を破綻させDKCの病態に関与しているかを解明することができると考えている。
新たなCRISPER Cas9システムにより目的の遺伝子改変が行われたことを塩基配列上確認したが、定形外翻訳により予期されていない蛋白が出現しているため、目的のknockdown細胞の作成に難渋している。研究計画が遅れているため。
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Genetics in Medicine
巻: 19 ページ: 796~802
10.1038/gim.2016.197