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2017 年度 実施状況報告書

HBZトランスジェニックマウスにおけるATL癌幹細胞の同定と分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K09833
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

水上 拓郎  国立感染症研究所, 血液・安全性研究部, 室長 (60415487)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードATL癌幹細胞 / HTLV-1 / 微小環境
研究実績の概要

平成29年度は,HBZ-Tg脾臓由来ATL腫瘍細胞内の癌幹細胞の機能評価実験て同定した候補分画を分取し、1x10^4細胞を96wellにて培養し、増殖能を検討した。その際、表面抗原の特徴に合わせたサイトカイン組成を準備し、どのようなサイトカイン環境がATL癌幹細胞の自己複製・維持・分化・増殖に必要か検討した。その結果,c-kitのリガンドであるSCFを添加した条件が特に細胞増殖とc-kit陽性細胞の維持に必須であることが明らかとなった。一方,T細胞を保持するサイトカイン環境ではATL癌幹細胞の自己複製は保持されないことが明らかとなった。
次に,HBZ-Tg脾臓由来ATL腫瘍細胞内の癌幹細胞の機能評価 (in vivo)実験で同定した候補分画を分取し 、1x10^2~x10^5細胞をC57BL6マウスに移植し、腫瘍再構築能を検討した。その結果,c-kit+細胞集団にATL癌幹細胞の自己複製・維持・分化・増殖が確認され,マウスに致死状態が誘導された。よって,c-kit陽性細胞中にATL癌幹細胞が含まれることが明らかとなった。
最後に,ATL癌幹細胞の分子基盤解明(in vivo):実験で同定した候補分画をATL癌幹細胞とし、1x10^5細胞 分取し、1) HBZ-Tg由来腫瘍細胞(Bulk), 2) CD4陽性細胞, 3) CD8陽性細胞, 4) CD4+CD8+細胞, 4) CD4-CD8-細 胞, 5) ATL癌幹細胞および正常マウス脾臓由来の同種細胞をコントロールとして分取し、DNAマイクロア レイを用いた網羅的遺伝子発現解析を行った。ATL癌幹細胞において5倍以上発現している分子についてqPCR法にて確認し,重要なマーカー遺伝子を発見することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度計画をほぼ問題なく実施でき,さらに新しいサイトカイン環境についても明らかになりつつあるため。

今後の研究の推進方策

今後は当初の予定通り,平成30年の実験計画を推進し,新しいサイトカイン環境を明らかにするとともに,分子基盤についても明らかにし,機能解析を実施し,治療標的となる分子候補の探索を進める。

次年度使用額が生じた理由

実験で使用する予定であった試薬が国内在庫がなく,輸入となってしまった関係で,年度内に納品不可となり,発注ができなかったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] HTLV-1感染予防法の開発2017

    • 著者名/発表者名
      水上拓郎、野島清子、浜口功
    • 雑誌名

      血液内科

      巻: 74(3) ページ: 356-362

  • [学会発表] Characterization of the ATL stem cell (ATLSC) niche and cytokine environment in an ATL mouse model.2017

    • 著者名/発表者名
      Takuo Mizukami, Wakako Kuribayashi, Kiyoko Nojima, Yuki Hiradate, Eita Sasaki, Madoka Kuramitsu, Haruka Momose, Kenji Sugata, Atsushi Iwama, Masao Matsuoka, Isao Hamaguchi.
    • 学会等名
      第79回 日本血液学会

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公開日: 2018-12-17  

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