研究課題
これまでに血液凝固、線溶系や血小板凝集の制御に関わる因子の遺伝子欠損マウスや変異マウスを樹立して解析を進めてきた。本研究ではこれまでに得られた知見を踏まえて、新たな血栓症モデルを用いた解析から、各分子や遺伝子変異が種々の血栓症病態に及ぼす影響を明らかにすると共に、血栓症治療の開発により適したモデルマウスを確立することを目的としている。本年度は、血小板凝集制御因子ADAMTS13欠損マウスの侵襲性肺アスペルギルス症モデルを用いた解析および、FRETバイオセンサーを発現するトランスジェニックマウスの血小板イメージング解析を進めた。この結果、ADAMTS13が肺の炎症時の自然免疫応答において過剰な好中球浸潤を抑制すること、血小板内の細胞外シグナル調節キナーゼが血栓形成の開始と維持に必須となること、プロテインキナーゼAが初期相においてのみ血栓形成を抑制することを見出すことに成功した。
2: おおむね順調に進展している
血栓症モデルマウスを用いた解析により、ADAMTS13が炎症時の自然免疫応答において過剰な好中球浸潤を抑制すること、血小板内の細胞外シグナル調節キナーゼが血栓形成の開始と維持に必須となること、プロテインキナーゼAが初期相においてのみ血栓形成を抑制することを明らかにすることができた。全体的な研究の進捗は概ね順調に進んでいる。
引き続き血栓症モデルマウスを用いた解析を進める。
学外研究機関の協力が得られたため、当初予定より必要経費を縮小できた。一方、次年度から所属機関が変更となるため、新しい環境での研究立ち上げに必要な機器および消耗品類を次年度に購入する必要が生じたため。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
J Thromb Haemost
巻: 15 ページ: 1487-1499
10.1111/jth.13723
PLoS One
巻: 12 ページ: e0180981
10.1371/journal.pone.0180981
Sci Rep
巻: 7 ページ: 7184
10.1038/s41598-017-07340-3
日本調理科学会誌
巻: 50 ページ: 239-244
10.11402/cookeryscience.50.239