急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群などの骨髄系腫瘍では、7番染色体の欠損がよく見られる異常であることから、7番染色体位置するスプライシング装置の構成分子であるLUC7L2の機能不全に起因する病態の解明に取り組んだ。LUC7L2の低発現の白血病細胞株では、特徴的な形態異常を認め、細胞死を誘導するタンパクの発現低下を認めた。LUC7L2の低発現細胞では、腫瘍細胞の増殖・進展に関わるBCLAF1、HMGN1、LETMD1の遺伝子のタンパク合成におけるスプライシングの段階での異常を認め、これらの分子の異常な生合成が腫瘍化に関わっているものと予想された。
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