研究課題
基盤研究(C)
骨髄増殖性腫瘍(MPN)において、JAK2/TPOR変異のない本態性血小板血症の67%、骨髄腺維症の88%にCalreticulin(CALR)遺伝子変異が新たに同定されたが、その発症におけるメカニズムは不明であった。我々の研究により、変異CALRによるMPN発症にはTPORの存在が必須であり、それによりJAK-STAT経路活性化していることが判明した。
血液悪性腫瘍
現在MPNに対する治療には、抗がん剤であるハイドロキシウレア、JAK阻害剤であるルキソニチニブなどが投与されるが、効果は十分でない。CALRはシャペロンタンパクであり、直接の機能阻害は困難と考えられるが、この新知見により、変異CALR 陽性MPNの治療として現行の治療薬だけでなく、TPORの機能阻害によっても治療効果が期待できることが判明し、これにより症状や予後の改善につながる可能性がある。