研究課題
骨髄増殖性腫瘍(myeloproliferative neoplasms:MPN)に分類される本態性血小板血症(essential thrombocythemia:ET)、原発性骨髄線維症(primarymyelofibrosis:PMF)で新たに高頻度の変異が発見されたCalreticulin(CALR)について、その正常造血に果たす役割、および変異型CALRがMPNを発症させる仕組みを解明することを目的とし研究を行った。In vitro解析では、様々な変異CALR変異体を用いて、変異CALRの活性責任部位の同定を進めている。また、糖鎖欠損細胞株を用いた解析によりCALR変異の活性に与える糖鎖修飾の影響を明らかにした(解析中)。In vivo解析では、マウスCALR塩基配列の一部をCRIPR/Cas9を用いて欠失させ、ヒトと相同的な変異をノックイン(KI)したKIマウスの作成に成功し、KIマウスが血小板増多症を発症することを明らかにした(Blood Cancer J.2019)。更に、CALRのハプロ不全モデルとしてのhetero KOマウス、及び完全欠損モデルとしての血球特異的なconditional KOマウスの作成に成功した。そして、RNA発現は野生型とマウスと変わらないにも関わらず、CALRのシャペロン機能不全によりタンパク発現が欠損している分子の存在を見出した。また、CALR不全は造血幹細胞の機能に影響を与えることを世界で初めて見出した(米国血液学会 2018)。また、MPNに対するTYK2蛋白を標的とした新規治療法の可能性や(Anticancer Res.2017)、同疾患におけるHMGA2遺伝子とJAK2変異の協調(Blood Adv.2017)、骨髄線維化におけるビタミンDシグナルの役割(Blood.2019)、についても明らかにした。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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