研究課題/領域番号 |
16K09861
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
藤岡 龍哉 関西医科大学, 医学部, 准教授 (70403045)
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研究分担者 |
薗田 精昭 関西医科大学, 医学部, 教授 (60206688)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 白血病 / 抗体療法 |
研究実績の概要 |
白血病幹細胞は、正常造血幹細胞の階層制と同様に、CD34+CD38-細胞分画に存在すると考えられてきた(Nature 367: 645, 1994)。 しかし我々の提唱する正常造血幹細胞の新たな階層性モデル(Blood 101:2924,2003,plenary paper)に基づいて、CD34-HSCのleukemic counterpartとしてCD34-LSCが存在するとの仮説を立て、骨髄内直接移植法を用いたNOG/NSGマウスへのヒト白血病細胞移植実験によりそれを実証した。 移植実験により白血病を再構成した白血病検体を免疫原として、Balb/cマウスに免疫を行い、回収したマウスリンパ球とマウス骨髄種細胞株(SP2/0)と融合させて抗体産生ハイブリドーマを作製した。これまでにALLに対する3クローン、CMLに対する3クローンのモノクローナル抗体を作製している。これらのうちALLに対する1クローン(303-23)について標的抗原(抗原X)が同定されているが、あらたに別のALLに対する1クローン(303-10)に対して標的抗原の同定を進めている。303-10抗体が強い結合性を示す細胞株KU812を材料として免疫沈降を行い、抗原バンドサンプルを質量分析した。その結果、抗原候補として抗原Yが示された。現在、リコンビナント蛋白を用いたELISAによる確認実験、ついで強制発現系を用いた確認実験を進行させている。 また、さらなる抗白血病効果の判定実験に用いるため抗体の大量増産が必要である。これまでに無血清培地を用いて純度の高い精製抗体を303-10抗体について42mg、303-23について33mg得ており、in vivo実験をおこなうのに十分な量を獲得している。 さらに、303-23を白血病モデルマウスに投与することによりin vivoにおける抗白血病効果を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに6クローンのモノクローナル抗体の作製を行っている。 予定通りNOG/NSGマウスを用いたin vivoでの抗白血病効果の確認実験をおこなった。NOG/NSGマウスに白血病細胞を移植し、翌日からマウスに303-23抗体の投与を開始した。抗体の投与量、間隔、期間を最適化する予備実験を経て、抗白血病効果を判定するための実験を行った。腹腔内注射により投与を行った。アイソタイプ抗体をコントロール群に同様の方法で投与した。10週間抗体を投与した後に解析を行い、抗体投与群でマウス体内で白血病細胞の増殖が著明に抑制されてることを確認した。 以上より、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
すでに、303-10抗体が強い結合性を示す細胞株KU812を材料として免疫沈降を行い、質量分析抗原Yが同定されている。リコンビナント蛋白を用いたELISAによる確認実験、ついで強制発現系を用いた確認実験を行う。 303-23抗体についてはさらにin vivoでの抗白血病効果の確認実験を重ねる。また、作用機序うについての探求を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) わずかに次年度使用額が発生しているが当該年度の執行率は85.8%であり、おおむね予定通りの執行状況であるといえる。試薬、物品が数万円以上することが多いため、発生した次年度使用額は通常の範囲であるといえる。 (使用計画) 次年度に繰り越して使用する計画である。研究計画がおおむね予定通り進捗しているので、予定の研究計画に沿った使用が可能であると想定される。
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