研究課題
コンドロイチン硫酸合成酵素であるN-acetylgalactosaminyltransferase-1のKOマウス(TIKO)の解析を前年度に引き続き行った。このマウスでは骨髄中のLSK分画の増加がみられたが、放射線照射による骨髄抑制からのあきらかな回復遅延が認められた。そこで、造血細胞と骨髄間質細胞のコンドロイチン硫酸の機能をそれぞれ調べるためにWT造血細胞をT1KOマウスへ移植する実験とT1KOの造血細胞をWTマウスへ移植する実験を行った。その結果T1KOの造血細胞を移植した場合に移植後のLSKの減少を認めた。一方T1KOの骨髄間質はWTと比し造血分化に対する明確な差をもたらさなかった。さらにT1KO造血細胞の機能を検討するため連続移植によるCRUアッセイを行った。その結果T1KO造血幹細胞は2次移植において有意に低いキメリズムを来した。この結果より送血幹細胞のコンドロイチン硫酸は幹細胞機能に重要な役割を果たしていると考えられた。
2: おおむね順調に進展している
当初予想とは異なる結果も得られているが、研究は当初計画通りに研究は進捗している。
骨髄間質のコンドロイチン硫酸の機能についてさらに検討を進めると同時に、造血幹細胞のコンドロイチン硫酸の減少が幹細胞能の低下や分化能の低下をもたらすメカニズムについて解析を進める。
658056円は2018年3月中の納品に対する支払いが4月になったものである。最終的な次年度への繰り越しは6725円であるが、これは30年度の研究費として8月に使用する予定である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件)
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