研究課題/領域番号 |
16K09876
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
楠本 茂 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90423855)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | モガムリズマブ / HBV再活性化 |
研究実績の概要 |
1) CCR4抗体モガムリズマブ投与後のHBV再活性化リスク:全身化学療法後のB型肝炎ウイルス(HBV)の再活性化は、HBs抗原陽性患者のみならず、HBV既往感染(HBc抗体陽性 and/or HBs抗体陽性)患者においても生じ、劇症肝炎の発症は致死的な合併症となる。今回、CCR4抗体モガムリズマブ投与後の免疫モニタリングに関する多施設共同観察研究(MIMOGA研究:UMIN000008696)登録例を対象とし、HBV既往感染歴を有するATLにおける、モガムリズマブ投与後のHBV再活性化リスクを評価した。全102例の登録例のうち、各施設のHBV血清マーカーを用いた評価で、3例(8.8%)がHBs抗原陽性で、1例がoccult HBV(HBV DNA検出)で、39例(38%)がHBV既往感染と判断された。HBV既往感染39例中34例が少なくとも1回以上のHBV DNAモニタリングが実施された。HBV再活性化は、モガムリズマブ投与後にHBV DNA量が1.3 log IU/mL以上になった場合と定義された。HBV DNAのフォローアップ中央値は467日で、HBV再活性化を3例(8.8%)に認めた。現在、保存検体を活用した、HBV再活性化リスク因子の同定を検討中である。
2) 全身化学療法前後のHBc抗体価の推移:高感度HBc抗体の有用性 日本肝臓学会総会にてパネルディスカッション(英語)のセッションで発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
保存検体を用いた附随研究のデータ解析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
附随研究として、保存検体を用いた、高感度系のHBV血清マーカーの測定を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
保存検体を用いた附随研究の進捗が遅れ、HBV関連マーカーの測定キット購入が必要となった。
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