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2016 年度 実施状況報告書

マイクロRNAの関節リウマチ関連標的分子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K09894
研究機関神戸大学

研究代表者

河野 誠司  神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (20351512)

研究分担者 三枝 淳  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20514970)
中町 祐司  神戸大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (80379429)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード関節リウマチ / アジュバント関節炎 / miRNA
研究実績の概要

本研究は、関節リウマチ(RA)にて特異的に減少するmiRNA-124.3p の標的mRNAに狙いを定め、miRNA-124.3p によるRAの病態の中心である滑膜線維芽細胞やラット関節炎モデルを用いて、RAの病態におけるmiRNA-124.3pの作用機序を詳細に明らかにすることを目的にする。平成28年度は、(段階1)CTGF、AdipoR2、MAPK14 がmiR-124.3pの標的分子であるかを検討する方針を立てた。RA患者由来滑膜細胞(RA-FLS)および、RA患者由来滑膜細胞株(E11)について、PCR・組織染色・フローサイトメーターを用いて、CTGF、AdipoR2、MAPK14の発現を確認する。E11にmiR-124.3p前駆体をLipofectamine2000(Invitrogen)と混合して添加し、miR-124.3pをRA-FLSに強制発現させて、CTGFの発現の変化をPCRやウェスタン・ブロットで検討する。CTGFの発現減少が見られたならば、CTGFmRNAの3’非翻訳領域(UTR)の配列をPCRにて増幅しルシフェラーゼベクターに組み込み(CTGF-Luc)、E11細胞にpre-miR-124aとCTGF-Lucをコ・トランスフェクションして、CTGF-Lucの活性が低下するか検討する。CTGF-Lucの活性が低下した場合、3’UTRの配列のmutantを作り特異性を確認する。また、RIPアッセイを用いて、RISC複合体に結合したmiR-124.3pに結合したCTGFmRNAをPCRにて定量し、RISCにmiR-124.3pとCTGFmRNAの複合体が濃縮されているか確認する。同様のルシフェラーゼアッセイ及びRIPアッセイ系を用いて、AdipoR2mRNAやMAPK14mRNAとmiR-124.3pとの特異的結合を確認する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の計画を立て、今年度はE11にトランスフェクションして最も生理活性(増殖抑制活性)の高いmiRNA123.3p前駆体の選別を行い、生理活性の高いmiRNA123.3p前駆体が選別できた。また、ルシフェラーゼアッセイに向けて、CTGFの3’UTRを組み込んだレシフェラーゼベクターを作成することに成功した。E11を用いたCTGF、AdipoR2、MAPK14の発現実験は、PCR・組織染色・フローサイトメーターを用いて淳二行ってゆく予定である。

今後の研究の推進方策

(段階1)の計画を平成29年度に遂行できれば、段階2の計画に取り組む。(段階2) miR-124.3pが滑膜線維芽細胞のCTGF、AdipoR2、MAPK14発現に与える変化の解析。CTGF、AdipoR2、MAPK14それぞれ固有の刺激系が知られているので、その系を用いて、miR-124.3pのCTGF、AdipoR2、MAPK14機能への影響について検討する。① CTGFは、滑膜細胞に於いてTNFαにより誘導されることが報告されており、pre-miR-124aをRA-FLSやE11にトランスフェクションした後にTNFαを添加し、CTGFの発現に与える影響を培養上清のELISAにて検討する。② Adiponectinは、RA-FLSに添加するとIL-6, IL-8, MMP-3の発現を誘導することが知られているので、pre-miR-124aをRA患者由来滑膜線維芽細胞やE11にトランスフェクションした後にAdiponectinを添加し、IL-6, IL-8, MMP-3の発現に与える影響を培養上清のELISAにて検討する。③ MAPK14は、LPS刺激でTCRを介して活性化され、NFkB経路でIL-1やTNFαの発現を刺激するので、pre-miR-124aをRA患者由来滑膜線維芽細胞やE11にトランスフェクションした後にLPSを添加し、TNFα-やIL1の産生を培養上清のELISAにて検討する。

次年度使用額が生じた理由

適正に研究費を使用したが、実験試薬等を購入するにはあまりにも小額(260円)が残額として残ったため。

次年度使用額の使用計画

次年度は、この小額の金額を含めて適正に研究費を使用する計画です。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] MicroRNA-124: a promising therapeutic agent for various human diseases, including rheumatoid arthritis2016

    • 著者名/発表者名
      Nakamachi Y, Saegusa J, and Kawano S
    • 雑誌名

      RNA & Disease

      巻: 3 ページ: 1-7

    • DOI

      10.14800/rd 1252

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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