研究実績の概要 |
本研究は、関節リウマチにて特異的に減少するmiR124.3pの標的mRNAに狙いを定め、リウマチの病態の中心である滑膜繊維芽細胞やラット関節炎モデルを用いて、リウマチの病態におけるmiR124.3pの作用機序を詳細に明らかにすることを」目的とした。平成30年度は、CTGF,AdipoR2,MAPK14がmiR124.3pの標的分子であるかを検討する方針を立てた。リウマチ患者由来滑膜細胞(RA-FLS)およびリウマチ患者由来滑膜細胞株(E11)について、 PCR/組織染色/フローサイトメーターを用いて、CTGF,AdipoR2,MAPK14の発現を確認する。E11にmiR14.3pの前九対をリポフェクタミン2000と混合して添加し、miR124.3pwoRA-FLSに強制発現させて、CTGFの」発現の変化をPCRやウェスタンブロットで検討する。CTGFのg発現減少が見られたならばCTGFmRNAの3UTRの配列をPCRにて増幅しルシフェラーゼベクターに組み込み(CTGF-Luc)、E11細胞にpre-miR124.3pとCTGF-Lucをコトランスフェクションして、CTGF-Lucの感性が低下するか検討する。CTGF-Lucの感性が低下した場合、3UTRの配列のミュータントをつくり特異性を確認する。また、RIPアッセイを用いて、RISC複合体に結合したmiR124.3pに結合したCTGFmRNAをPCRにて定量し。RISCにmiRNA-124.3pとCTGFmRNAの複合体が濃縮されているか確認する。同様のルシフェラーゼアッセイおよびRIPアッセイ系を用いて、AdiPoR2,MAPK14のmRNAとmiR-124.3pとの特異的複合体を確認することを計画した。その結果、MAPK14-Lucのルシフェラーゼ活性をmiR124-3pが抑制し、MAPK14mRNAのシードシーケンス変異を入れたMAPK14-Luc(mut)では、miR124.3pによる抑制が解除された。以上により、少なくともMAPK14がmiR124.3pの新たな標的分子であることが明らかになった。
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