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2016 年度 実施状況報告書

新規細胞系列 ILCs の関節リウマチ発症・進展における役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K09897
研究機関九州大学

研究代表者

有信 洋二郎  九州大学, 大学病院, 助教 (90467928)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードILC3 / CCR6 / IL-17A / IL-22 / arthritis
研究実績の概要

本年度はマウスを中心に検討を行った。
(1)マウス末梢血において、ILC1~3を同時に同定・単離できる表面マーカーの組み合わせを検討し、Lineage marker陰性分画中の、NKp46-CCR6-NK1.1+をILC1、NKp46-CCR6-IL-33R+をILC2、NKp46+ or CCR6+をILC3とした。目的とする細胞集団が正しく単離できているかどうかを確認するために、マスター遺伝しとしてILC1,2,3におけるT-bet, GATA-3,RORgtの発現を、サイトカイン産生能としてILC1,2,3におけるIFN-g, IL-13, IL-17Aの発現を評価し、この染色方法によりILC1~3は正しく単離できると判断した。
(2)(1)の染色法を用い、コラーゲン誘導性関節炎モデルマウスの末梢血、膝窩リンパ節、関節局所におけるILCの絶対数・割合を検討した。正常マウスと比較して、コラーゲン誘導性関節炎モデルマウスの末梢血、膝窩リンパ節、関節局所においては、ILCの総数が増加する傾向にあった(統計学的有意差なし)。ILCの中では、関節局所のCCR6+ILC3分画の割合が増加していた(統計学的有意差あり)。
(3)コラーゲン誘導性関節炎モデルマウスの各ILC分画のサイトカイン産生能を検討した。(2)で増加を認めたCCR6+ILC3分画のIL-17A, IL-22産生能が著明に増加していた。
以上の結果から、コラーゲン誘導性関節炎モデルマウスにおいて、CCR6+ILC3が関節炎の病態形成に何らかの役割を果たしている可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度に予定をしていたILC1~3の単離法の確立と、各分画のマウス関節炎モデルにおける量的・質的検討が順調に進んでいる。

本年度は、組織染色による炎症局所におけるILCの同定も試みる予定であったが、失敗した。今後、Mantra等を用いて、再検討する予定である。

今後の研究の推進方策

今後は、最も変化を認めたCCR6+ILC3分画の養子移入により、関節炎症を惹起、もしくは増悪できるかを評価し、CCR6+ILC3分画の病的意義を検討する。

また、コラーゲン誘導性関節炎モデルマウスで認められたILCの変化が、ヒト関節リウマチ患者でも同様に起こっているかを検討する。使用するヒト検体として、患者末梢血、関節液、滑膜組織などを予定している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Functional interleukin-33 receptors are expressed in early progenitor stages of allergy-related granulocytes.2017

    • 著者名/発表者名
      Tsuzuki H, Arinobu Y, Miyawaki K, Takaki A, Ota SI, Ota Y, Mitoma H, Akahoshi M, Mori Y, Iwasaki H, Niiro H, Tsukamoto H, Akashi K.
    • 雑誌名

      Immunology

      巻: 150 ページ: 64-73

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] アレルギーに関連する骨髄球系前駆細胞は機能的なIL-33受容体を発現する2017

    • 著者名/発表者名
      有信 洋二郎、續 啓史、赤司 浩一
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 67 ページ: 269-274

  • [雑誌論文] 肥満細胞・好塩基球・好酸球とリウマチ性疾患2017

    • 著者名/発表者名
      有信 洋二郎
    • 雑誌名

      九州リウマチ

      巻: 37 ページ: 1-5

  • [雑誌論文] 好塩基球の分化2016

    • 著者名/発表者名
      有信 洋二郎
    • 雑誌名

      臨床検査

      巻: 60 ページ: 820-824

  • [雑誌論文] 関節単純X線とエコーの読み方2016

    • 著者名/発表者名
      綾野 雅宏、有信 洋二郎
    • 雑誌名

      診断と治療

      巻: 104 ページ: 1514-1519

  • [学会発表] Functional and Quantitative Changes of CCR6+type3 Innate Lymphoid Cells in Murine Collagen-Induced Arthritis2016

    • 著者名/発表者名
      Takaki A, Arinobu Y, Irino K, Tsuzuki H, Ota Y, Oryoji D, Ayano M, Kimoto Y, Mitoma H, Akahoshi M, Niiro H, Tsukamoto H, Horiuchi T, Akashi K
    • 学会等名
      American College of Rheumatology 2016 Annual meeting
    • 発表場所
      Washington, DC
    • 年月日
      2016-11-11 – 2016-11-16
    • 国際学会
  • [学会発表] コラーゲン誘導性関節炎モデルマウスにおける自然リンパ球の検討2016

    • 著者名/発表者名
      高木 綾子、有信 洋二郎、入野 健佑、猪口 翔一朗、押領司 大助、大田 友里、久本 仁美、綾野 雅宏、木本 泰孝、三苫 弘喜、赤星 光輝、新納 宏昭、塚本 浩、赤司 浩一、堀内 孝彦
    • 学会等名
      第44回 日本臨床免疫学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-09-08 – 2016-09-10

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公開日: 2018-01-16  

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