成人スティル病末梢血のエピゲノム異常の検討と病態解明

2018 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 16K09902
• 研究機関: 埼玉医科大学
• 研究代表者: 三村 俊英 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30260491)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: エピジェティクス / 成人スティル病

研究実績の概要

成人スティル病患者のうち、活動性の高い患者と活動性の低い患者で比較したところでは、疾患活動性の亢進した患者における単球分画のみがH3K4met3/H3K27met3の亢進を有意に示した。以上のことから、成人スティル病におけるヒストン修飾変化の明らかで病態への関与の可能性が高い末梢血細胞群として単球分画に焦点を絞って解析を行った。この分画は、細胞数が少なく通常のChip-seqに必要な細胞数を集める事は不可能と考え、まず患者単球における遺伝子発現の変化を明らかとし、発現変化の強い遺伝子に絞ってヒストン修飾変化を詳細に解析することとした。そのため、患者末梢血単球分画を用いて、健常者との比較でtranscriptome解析を行った。その結果、興味深い遺伝子発現変化が明らかになった。発現亢進している上位２０遺伝子および発現低下している２０遺伝子を抽出し、これらの発現程度を再度quantitative RT-PCRにて解析し、その内特に変化の見られた１０遺伝子を対象にChip-assayを行った。また、患者および健常者の末梢血由来の血清サイトカインの測定をビーズアレイにて行った。Chip-assayにおいて興味深い遺伝子は、成人スティル病特異的な変化は示しておらず、また臨床的データーとの相関は明らかではなかった。しかし、患者の一部においてChip-assayの結果と血清サイトカイン（特にIL-18）との相関の可能性を示すものが得られた。現時点では患者数が少なく規則性は定かではないが、患者群の中を２分割出来る様な結果に結びつく可能性がある。今後更なる検討が望まれる。

研究成果

• [雑誌論文] Urinary levels of the leukocyte surface molecule CD11b associate with glomerular inflammation in lupus nephritis (2019)
  • 著者名/発表者名: Kitagawa, A., Tsuboi, N., Yokoe, Y., Katsuno, T., Ikeuchi, H., Kajiyama, H., Endo, N., Sawa, Y., Suwa, J., Sugiyama, Y., Hachiya, A., Mimura, T., Hiromura, K
  • 雑誌名: Kidney International 巻: 95 ページ: 680-692
  • DOI: 10.1016/j.kint.2018.10.025
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Evidence-based clinical practice guideline for adult Still’s disease (2018)
  • 著者名/発表者名: Mimura, T., Kondo, Y., Ohta, A., Iwamoto, M., Ota, A., Okamoto, N., Kawaguchi, Y., Kono, H., Takasaki, Y., Takei, S., Nishimoto, N., Fujimoto, M., Asanuma, YF., Mimori, A., Okiyama, N., Kaneko, S., Takahashi, H., Yokosawa, M., Sumida, T
  • 雑誌名: Modern Rheumatology 巻: 28 ページ: 736-757
  • DOI: 10.1080/14397595.2018.1465633
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Altered gene expression profiles of histone lysine methyltransferases and demethylases in rheumatoid arthritis synovial fibroblasts (2018)
  • 著者名/発表者名: Araki, Y., Aizaki, Y., Sato, K., Oda, H., Kurokawa, R., Mimura, T
  • 雑誌名: Clin Exp Rheumatol 巻: 36 ページ: 314-316
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Splicing variant ofWDFY4augments MDA5 signalling and the risk of clinically amyopathic dermatomyositis (2018)
  • 著者名/発表者名: Kochi, Y., Kamatani, Y., Kondo, Y., Shimizu, J., Fujio, K., Amano, H., Mimori, A., Kawakami, A., Umehara, H., Takeuchi, T., Sano, H., Muro, Y., Atsumi, T., Mimura, T., Kawaguchi, Y., Mimori, T., Takahashi, A., Kubo, M., Kohsaka, H., Sumida, T., Yamamoto, K
  • 雑誌名: Annals of the Rheumatic Diseases 巻: 77 ページ: 602-611
  • DOI: 10.1136/annrheumdis-2017-212149
  • 査読あり / 国際共著
• [学会発表] Retrospective Analysis of 30 Patients with Limited Cutaneous Systemic Sclerosis for 20 Years. (2018)
  • 著者名/発表者名: Akiyama, Y., Yoshida, Y., Yokota, K., Araki, Y., Funakubo, Y., Sato, K., Mimura, T
  • 学会等名: 11th International Congress on Autoimmunity.
  • 国際学会
• [学会発表] The Comparative Observational Study about Efficacy, Safety and Adherence between Tocilizumab and Infliximab in Patients with Rheumatoid Arthritis. (2018)
  • 著者名/発表者名: Matsuda, M., Funakubo Asanuma, Yu., Nakao, Y., Yazawa, H,, Tsuzuki Wada, T., Kouzu, N., Mimura, T
  • 学会等名: 2018 ACR/ARHPAnnual Meeting.
  • 国際学会
• [学会発表] The Efficacy, Safety and Adherence of Biologicbiological Disease-Modifying Anti Rheumatic Drugs, Infliximab, Tocilizumab and Abatacept, in Elderly Patients with Rheumatoid Arthritis. (2018)
  • 著者名/発表者名: Tsuzuki Wada, T., Funakubo Asanuma, Yu., Matsuda, M., Yazawa, H., Nakao, Y., Kozu, N., Mimura, T
  • 学会等名: 2018 ACR/ARHPAnnual Meeting.
  • 国際学会
• [学会発表] In the Presence of IL-18, IL-10 but Not IL-6 Induces IFN-γ Production and the Surface Expression of TRAIL on NK Cells. (2018)
  • 著者名/発表者名: Sato, K., Aizaki, Y., Yazawa, H., Mimura, T
  • 学会等名: 2018 ACR/ARHPAnnual Meeting.
  • 国際学会
• [学会発表] Detection of Precursors of RANK- Osteoclast-like Cells (Olcs) in Peripheral Blood and Olcs in Bone Tissue from Rheumatoid Arthritis Patients. (2018)
  • 著者名/発表者名: Yokota, K., Tanaka, S., Sekikawa, M., Aizaki, Y., Sato, K., Oda, H., Mimura, T
  • 学会等名: 2018 ACR/ARHPAnnual Meeting.
  • 国際学会
• [学会発表] 成人Still病の診断と治療． (2018)
  • 著者名/発表者名: 三村俊英
  • 学会等名: 第115回日本内科学会総会・講演会
  • 招待講演
• [学会発表] 全身性エリテマトーデスにおける尿中ポドサイトマーカー測定の意義 (2018)
  • 著者名/発表者名: 梶山浩，廣村桂樹,井熊大輔，諏訪絢也，池内秀和，黒沢寛之，平山吉朗，原正則，野島美久，三村俊英
  • 学会等名: 第115回日本内科学会総会・講演会
• [学会発表] EBウイルス陽性を示した症例へ生物学的製剤を使用した自験8例の検討． (2018)
  • 著者名/発表者名: 吉田佳弘，横田和浩，佐藤浩二郎，舟久保ゆう，三村俊英
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] 当科における関節リウマチに対するアバタセプトとゴリムマブの治療成績（208週）の比較検討． (2018)
  • 著者名/発表者名: .秋山雄次，和田琢，高松真裕子，丸山崇，柳澤麻依子，吉田佳弘，立花秀介，横田和浩，梶山浩，荒木靖人，佐藤浩二郎，舟久保ゆう，三村俊英
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] 自己免疫性好中球減少症を合併したシェーグレン症候群の1例． (2018)
  • 著者名/発表者名: 丸山崇，伊藤達也，三村俊英，秋山雄次
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] Ninja2012とNinja2016における関節リウマチ患者の腎機能と治療内容の比較． (2018)
  • 著者名/発表者名: 梶山浩，野間久史，津野宏隆，橋本篤，松井利浩，金子敦史，角田慎一郎，横田和浩，荒木靖人，佐藤浩二郎，舟久保ゆう，税所幸一郎，西野仁樹，當間重人，三村俊英
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] 全身性エリテマトーデス外来維持療法患者におけるヒドロキシクロロキン追加投与の効果と安全性． (2018)
  • 著者名/発表者名: 梶山浩，吉田佳弘，横田和浩，荒木靖人，佐藤浩二郎，舟久保ゆう，三村俊英
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] 高齢関節リウマチ患者におけるトシリズマブの有効性，安全性，継続率の検討． (2018)
  • 著者名/発表者名: 中尾嘉修，松田真弓，矢澤宏晃，神津教倫，佐藤浩二郎，舟久保ゆう，三村俊英
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] 関節リウマチ患者におけるインフリキシマブの増量・投与間隔短縮の承認前後における安全性と忍容性の比較検討． (2018)
  • 著者名/発表者名: 矢澤宏晃，松田真弓，中尾嘉修，神津教倫，佐藤浩二郎，舟久保ゆう，三村俊英
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] インフリキシマブまたはトシリズマブで治療された関節リウマチ患者における有効性，安全性，継続率の比較． (2018)
  • 著者名/発表者名: 松田真弓，舟久保ゆう，中尾嘉修，矢澤宏晃，神津教倫，佐藤浩二郎，三村俊英
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] ベーチェット病患者の末梢血白血球におけるヒストンメチル化の解析． (2018)
  • 著者名/発表者名: 相崎良美，荒木靖人，三村俊英
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] 当科における関節リウマチに対するインフリキシマブ強化療法． (2018)
  • 著者名/発表者名: 秋山雄次，高松真裕子，和田琢，吉田佳弘，鮫島辰美，神津教倫，横田和浩，荒木靖人，梶山浩，佐藤浩二郎，舟久保ゆう，三村俊英
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] IgG4関連血管病変に対するステロイドの有効性． (2018)
  • 著者名/発表者名: 進藤靖史，中嶋京一，相崎良美，立花秀介，吉田佳弘，横田和浩，秋山雄次，三村俊英
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] 再発性多発軟骨炎の寛解維持療法中に髄膜脳炎を発症した一例． (2018)
  • 著者名/発表者名: 野澤祥吾，横田和浩，立花秀介，三宅高史，三宅晃史，山元敏正，三村俊英
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] Presence of RANK-Osteoclast-like Cells in the Bone of Patients with Rheumatoid Arthritis. (2018)
  • 著者名/発表者名: Yokota, K., Tanaka, S., Sato, K., Aizaki, Y., Oda, H., Mimura, T
  • 学会等名: 第62回日本リウマチ学会総会・学術集会
• [学会発表] 関節リウマチ患者骨組織における破骨細胞様細胞（osteoclast-likecells；OLCs）の同定． (2018)
  • 著者名/発表者名: 横田和浩，田中伸哉，関川三四子，相崎良美，佐藤浩二郎，織田弘美，三村 俊英
  • 学会等名: 第4回日本骨免疫学会
• [学会発表] 骨免疫の基礎と臨床 (2018)
  • 著者名/発表者名: 三村俊英
  • 学会等名: 第46回日本臨床免疫学会
  • 招待講演
• [学会発表] 関節リウマチ患者末梢血単核球における破骨細胞および破骨細胞様細胞の分化誘導能の解析． (2018)
  • 著者名/発表者名: 横田和浩，田中伸哉，関川三四子，相崎良美，佐藤浩二郎，織田弘美，三村俊英
  • 学会等名: 第46回日本臨床免疫学会総会
• [図書] 日常診療に活かす診療ガイドライン (2018)
  • 著者名/発表者名: 三村俊英
  • 総ページ数: 1064
  • 出版者: メディカルレビュー社
• [図書] Epigenetics in Human Disease, 2nd edition (2018)
  • 著者名/発表者名: Araki, Y., Mimura, T
  • 総ページ数: 1110
  • 出版者: Elsevie
• [備考]
  • URL: http://www.saitama-med.ac.jp/uinfo/riumachi/gyoseki2N.html