研究課題
M2 CD163陽性マクロファージのマウス関節炎モデルを用い機能解析を行った。マウス関節炎モデルにおいてコラーゲン誘導関節炎(CAIA)を用い、CD 163 KOマウスで関節炎症が増悪するため、CD163陽性マクロファージは関節炎症抑制的に作用することを確認した。また骨びらんスコアも増悪するため関節炎症に伴う骨破壊への関与も示唆された。そのメカニズムに関して、病理組織学的研究において、CD163KOマウスで関節炎局所への炎症細胞浸潤を著明に認め、またケモカインCXCL1の有意な上昇を伴うことからCD163陽性マクロファージはケモカイン産生を介した関節炎症誘導に関与する可能性が考えられた。炎症性サイトカイン産生に関して検討を行い、CD163Koマウス関節炎症局所でIL-6やIL-1βなどの発現亢進をRNAレベルで確認し、CD163陽性マクロファージはケモカインのみならず炎症性サイトカイン産生抑制に作用する可能性が考えられる。そのメカニズムに関しては、マウス関節炎モデルにおいて、免疫複合体による炎症誘導が重要であるためマウス腹腔由来マクロファージを免疫複合体(IgG)刺激を行ったが、CD163 KOとcontrol WTマクロファージと比較し、炎症性サイトカイン産生などに有意差を認めなかった。CAIAにLPSを用いるため、LPSを使用せずCAIAを誘導すると、関節炎誘導は可能であったが、CD163Koマウスとコントロールマウス間で有意差が消失するため、このマウス関節炎モデルではLPS刺激の重要性が推測される。腹膜炎モデルはLPS刺激によりCD163欠損マウスで生存率の低下を認め、炎症性サイトカイン産生が亢進し、関節炎モデルで得られた実験結果と相関を認めた。研究結果をまとめ現在論文投稿中である。
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