研究課題/領域番号 |
16K09915
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
花見 健太郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (50441853)
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研究分担者 |
久保 智史 産業医科大学, 医学部, 助教 (70461548)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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キーワード | 樹状細胞 / 破骨細胞 / 抗原提示能 |
研究実績の概要 |
破骨細胞は通常単球から分化するが、特に炎症環境下では、樹状細胞からの分化も報告されており、新しい破骨細胞サブセットは、通常の破骨細胞にはないリンパ球刺激能を有し、免疫反応とともに骨破壊に重要な役割を示す可能性が示唆されている。しかし、ヒト樹状細胞由来破骨細胞の特徴について解明されておらず、本研究では炎症病態における樹状細胞由来破骨細胞の分化機序、機能、病態への影響に関して検討を行った。 はじめに、関節炎病態における樹状細胞由来破骨細胞(dendritic derived osteolast; DCOC)の役割を解明するため、研究期間内に以下のことを明らかにした。 1.樹状細胞由来破骨細胞(dendritic cell-derived osteoclast; DCOC)分化誘導系を構築した。:健常人末梢血よりCD14陽性細胞を分離し、GM-CSF刺激を加える。分化培養開始後6日目にM-CSF刺激、9日及び15日にM-CSF+RANKL刺激をそれぞれ行い、21日目まで培養を行い、DCOCに分化誘導を行った。 2.DCOCが有する破骨細胞様形質の評価:培養開始後21日目にTRAP染色を行い、TRAP陽性細胞数・細胞核数・細胞融合について評価した。DCOC分化誘導前・分化培養開始9日目・21日目の細胞から各総mRNAを抽出し、定量性PCR法にてカテプシンK、NFATc1、DC-STAMPの発現を測定した。ヒト単球由来破骨細胞とDCOCを象牙切片スライス上で培養開始後、21日目にピットフォーメーションアッセイにて骨吸収窩面積の定量を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関節炎病態における樹状細胞由来破骨細胞(dendritic derived osteolast; DCOC)の役割を解明するため、以下の3段階を設定している。 1.ヒト単球、ラット骨髄細胞を用いたin vitroでの解析 2.ラット関節炎モデルを用いたin vivoでの解析 3.RA患者検体を用いた解析 現在、ヒト単球を用いたin vitroの解析を行っているが、順調に推移していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
T細胞の増殖等、細胞表面マーカーCD80/86の病原性を観察し、樹状細胞様性質を評価する。その方策としては、分化培養開始21日目のDCOCにおいて細胞表面マーカーCD80/86の発現を免疫蛍光染色法にて評価し、培養開始後18日目より21日目までCD4陽性T細胞と共培養を行う。21日目にサイミジンアップテイク法により細胞増殖能を評価する事でDCOCが有する抗原提示細胞様形質の評価する。
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