免疫抑制機構の中心的サイトカインはTGF-β とIL-10 が広く知られているが、共に免疫に対して促進性にも抑制性にも働くという側面があり、臨床応用への大きなハードルとなっている。当研究室で同定した LAG3 Tregは両サイトカインを大量に産生し、かつ抗体産生の強力な抑制能を有する。本研究では、両サイトカインが単独ではなく協調することで抑制能を発揮する「抑制性サイトカイン協調(inhibitory Cytokine Synergy: ICS)作用」の詳細なメカニズムを初めて明らかにした。本知見は、自己抗体産生機序を介した自己免疫疾患の新規治療法に繋がる可能性を内包している。
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