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2016 年度 実施状況報告書

自己免疫・喘息疾患におけるヒト遊離型TIM-4の検出・機能解析と病態的意義

研究課題

研究課題/領域番号 16K09924
研究機関順天堂大学

研究代表者

秋葉 久弥  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60338316)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード免疫学 / アレルギー・ぜんそく / 炎症
研究実績の概要

これまでの研究を通じて、マウス遊離型TIM-4がマクロファージやマスト細胞に結合して炎症性サイトカインの分泌を誘導し、喘息モデルマウスや関節炎モデルマウスの病態形成に関わることを明らかにしてきた。同様の現象がヒトの喘息患者やリウマチ患者でも起こっている可能性がある。本研究は、これを検証するためヒト遊離型TIM-4(hsTIM-4)の測定方法を確立して、その存在を証明し、機能を解析するとともに、喘息やリウマチ疾患の患者血清からヒト遊離型TIM-4の検出を試みて発症や病態との相関を明らかにすることを目的としている。
まず抗ヒトTIM-4抗体を作製してサンドイッチELISAによる新たなhsTIM-4検出を目指した。精製ヒトTIM-4-Ig蛋白質をマウスに免疫してリンパ節B細胞を回収、マウスミエローマ細胞と細胞融合を行った後、ヒトTIM-4に強固に結合するモノクローナル抗体を産生する融合細胞(ハイブリドーマ)を4つ得た。サンドイッチELISAを行うには最低2つの抗体がTIM-4分子の異なる領域に結合する必要があるが、得られた抗体は全てTIM-4分子の同じ領域に結合することが判明した。従って、得られた抗体の中で最も結合力が強い抗体を選び、既存のビオチン標識抗ヒトTIM-4抗体と共にhsTIM-4検出の為のサンドイッチELISAを確立した。順天堂大学医学部付属順天堂医院に掛かる喘息患者血清125サンプルからhsTIM-4を測定した結果、安静呼吸下で測定した末梢肺の気道病変(AX値)や弾性抵抗(X5値)などと有意な相関が認められた。またいくつかの異なるがん患者血清サンプルを測定した結果、Malignant Lymphoma患者が他のがん患者と比べて有意に高値を示した。hsTIM-4測定が喘息の重症度やある種のがん特異的なバイオマーカーになりうる可能性があり、現在、更なる検証を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

抗ヒトTIM-4抗体を作製してサンドイッチELISAによる新たなhsTIM-4検出方法を確立し、当初の予想通り喘息の病態とhsTIM-4値に相関が見られることから、今後サンプル数を増やして検討を続ける。

今後の研究の推進方策

再度結合部位の異なる抗ヒトTIM-4抗体を作製し、さらに好感度のELISAを作製する。喘息患者以外にもリウマチ患者やがん患者の血清サンプルからhsTIM-4の検出を試みて疾患特異性や病態変化との相関関係の解析を行う。尚、大量のサンプル確保のために、順天堂大学医学部付属医院以外の研究機関・病院からのサンプル提供を検討する。

次年度使用額が生じた理由

マウスに1回の免疫で抗TIM-4抗体が作製出来たことにより当初の予想使用額よりも抑えられた。

次年度使用額の使用計画

さらに高感度にhsTIM-4を測定するサンドイッチELISAを開発するために、再度抗TIM-4抗体を作製する費用とする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Protective Role of ICOS and ICOS Ligand in Corneal Transplantation and in Maintenance of Immune Privilege.2016

    • 著者名/発表者名
      Kunishige T, Taniguchi H, Terada M, Akiba H, Yagita H, Abe R, Hori J.
    • 雑誌名

      Invest Ophthalmol Vis Sci

      巻: 57 ページ: 6815-6823

    • DOI

      10.1167/iovs.16-20644

    • 査読あり
  • [雑誌論文] OX40L blockade protects against inflammation-driven fibrosis.2016

    • 著者名/発表者名
      Elhai M, Avouac J, Hoffmann-Vold AM, Ruzehaji N, Amiar O, Ruiz B, Brahiti H, Ponsoye M, Frechet M, Burgevin A, Pezet S, Sadoine J, Guilbert T, Nicco C, Akiba H, Heissmeyer V, Subramaniam A, Resnick R, Molberg O, Kahan A, Chiocchia G, Allanore Y.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA

      巻: 113 ページ: E3901-10

    • DOI

      10.1073/pnas.1523512113

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] TIM-3 regulates pulmonary fibrosis through apoptotic cell clearance2016

    • 著者名/発表者名
      ISSHIKI Takuma, AKIBA Hisaya, NAKAYAMA Masafumi, HARADA Norihiro, OKUMURA Ko, MIYAKE Sachiko
    • 学会等名
      第45回日本免疫学会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター、ラグナガーデンホテル
    • 年月日
      2016-12-05 – 2016-12-07
  • [学会発表] OX40L BLOCKADE PROTECTS AGAINST SKIN AND LUNG INFLAMMATION-DRIVEN FIBROSIS2016

    • 著者名/発表者名
      M. Elhai, J. Avouac, A.-M. Hoffmann-Vold, J. Sadoine, T. Guilbert, H. Akiba, V. Heissmeyer, A. Subramaniam, R. Resnick, G. Chiocchia, Y. Allanore
    • 学会等名
      欧州リウマチ学会 EULAR 2016
    • 発表場所
      London, UK
    • 年月日
      2016-06-08 – 2016-06-11
    • 国際学会
  • [備考] 順天堂大学医学部免疫学講座

    • URL

      http://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/meneki/home.html

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公開日: 2021-01-27  

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