研究課題
本研究は、ヒト遊離型TIM-4(hsTIM-4)の測定方法を確立して、その存在を証明し、機能を解析するとともに、喘息やリウマチ疾患の患者血清からヒト遊離型TIM-4の検出を試みて発症や病態との相関を明らかにすることを目的としている。これまでに、ヒトTIM-4分子に結合するモノクローナル抗体を4種得たが、これらは全てTIM-4分子の同じ領域に結合した。サンドイッチELISAを行うにはTIM-4分子の異なる領域に結合する必要があるため、再度結合部位の異なる抗ヒトTIM-4抗体の作製を試みているが未だ得られていない。また、組換えDNA技術によりリコンビナントhsTIM-4を作製して、ヒトT細胞やマスト細胞におけるhsTIM-4の機能解析を行うこと、さらにはマウスTIM-4の切断部位を変異させた非遊離型TIM-4マウスを作製し、各種疾患モデルを誘導して抗炎症作用と病態抑制効果を検討する予定でいるが、共に遊離型TIM-4のC末端アミノ酸配列を決定する必要がある。しかしながら、アミノ酸分析に必要な量が十分得られていないため、未だ切断部位を明らかにすることが出来ずにいる。また昨年度、hsTIM-4測定が特定のがんの特異的なバイオマーカーになりうる可能性が示されたことから、さらなる大量の検体を確保するため順天堂大学医学部付属医院以外の研究機関・病院への協力依頼を検討しているが、公な共同研究契約書類が必要となり、特許出願に必須なhsTIM-4のC末端アミノ酸配列の同定が未だ出来ずにいることがこれを拒んでいる。従ってこれらの状況を改善するために、現在、細胞表面にTIM-4分子が高発現するTIM-4遺伝子導入細胞を作製しており、早期にアミノ酸分析に必要な量を確保してC末端アミノ酸配列を決定することを試みている。
4: 遅れている
ヒトおよびマウス遊離型TIM-4の遊離切断部位の同定が未だに出来ずにいることが多くの研究・実験の進展を妨げている。
結合部位の異なる抗ヒトTIM-4抗体が得られた後に、ただちに順天堂大学医学部付属順天堂医院に掛かる喘息症例(新規抗IL-5抗体治療前後)と間質性肺炎症例、計155検体を測定する予定である。また、ヒトおよびマウス遊離型TIM-4のC末端アミノ酸配列を決定するために、レトロウイルスベクターを使ったTIM-4発現系を確立して早期に問題解決に努めたい。
わずかな端数が生じた。
すべて 2017 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件) 備考 (1件)
J Immunol
巻: 199 ページ: 3733-3737
10.4049/jimmunol.1700059
http://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/meneki/home.html