研究課題
ABPA/ABPM症例から分離した真菌計102株をバンク化した。菌種を遺伝子解析により同定したところ,Aspergillus属38株、真正担子菌31株、Penicillium属16株、黒色真菌7株が主要な分離菌であった。 Aspergillus属の内、A. fumigatus 21株、A.nigerとその関連種が8株であった。真正担子菌の内訳はTrametes属とBjerkandera属(6株ずつ)、Phanerochaete属(5株)、スエヒロタケ(4株)の4菌群が多かった。より網羅的に気道真菌叢を評価するため、18S rRNA遺伝子と5.8S rRNA遺伝子に挟まれたITS 1領域をPCR増幅し、次世代シークエンサーを用いて気道分泌物中の真菌を評価するシステムを構築した。ABPM 9例および好酸球性副鼻腔炎2例について解析し、ABPMのうち4例からはA. fumigatusが主に検出され、1例ではA. lentulusと真正担子菌が検出された。一方、培養でA. fumigatusが検出されたにも関わらず次世代シークエンサー解析では真正担子菌Trametes属が優勢(84%)で検出された症例があった。A. fumigatusに対するヒト好酸球の反応をin vitroで検討した。この結果、好酸球は細胞表面のCD11bや細胞内のSykを介してextracellular trap cell death (ETosis)に至り、extracellular trapsを放出してA. fumigatus を捕捉することが明らかになった。Extracellular trapsはDNaseによって消失することも確認された。また、好酸球ETosisは種々の殺菌作用を有する蛋白を放出するが、A. fumigatusはこれらに耐性を有していた。
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