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2016 年度 実施状況報告書

チクングニアウイルス感染関連細胞性因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 16K09934
研究機関大阪大学

研究代表者

田中 淳  大阪大学, 微生物病研究所, 特任講師(常勤) (20321953)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードチクングニアウイルス
研究実績の概要

チクングニアウイルスの感染に関連する遺伝子の網羅的同定を目的とし、gRNA-Cas9タンパク質導入ベクターによるCRISPR-Cas9システム(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats CRISPR-Associated Proteins 9)を用いた方法でHEK293ノックアウト変異細胞ライブラリーを作製できた。このノックアウト細胞ライブラリーにチクングニアウイルス、East/Central/South African (ECSA) LineageのAfrican prototype S27株、及びIndian Ocean Epidemic LineageのJapan SL11131株を接種し、生き残ってくる細胞群においてどのような細胞性因子がノックアウトされているのかを導入されているgRNA配列をもとに検討した。その結果、チクングニアウイルス African prototype S27株を接種したHEK293ノックアウト変異細胞ライブラリーで、接種後に細胞死を引き起こさなかった生存細胞を確認できた。一方チクングニアウイルス Japan SL11131株を接種したノックアウト変異細胞ライブラリーでは生存細胞が見いだされなかった。CHIKV-S27株接種後生存HEK293ノックアウト変異細胞群で導入されていたgRNA配列をもとにノックアウトされている細胞性因子の同定を試みたが、有意にノックアウトされている細胞性因子を見出すことができなかった。興味深いことにこれらの接種後生存細胞はチクングニアウイルスに感染していないわけではなく、ウイルス感染が成立し、ウイルス産生量はわずかであるが、ウイルス産生細胞となっていることが見いだされた。またこれらウイルス産生細胞から産生されるインターフェロン等の抗ウイルス因子によって生存細胞が検出されている可能性が考えられた。これらの接種後生存細胞はウイルスの持続感染を考えるうえで有用な材料となる可能性が考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

HEK293にgRNA-Cas9タンパク質発現ベクターを導入することでHEK293ノックアウト変異細胞ライブラリーを作製できた。チクングニアウイルス S27株を接種したHEK293ノックアウト変異細胞ライブラリーで、接種後、生存細胞を確認できたが、ウイルス非感染細胞ではなく、ウイルス感染細胞となっていること明らかとなった。これらのウイルス感染(産生)細胞の影響もあり、当初の予定であるノックアウト変異細胞ライブラリー中のgRNA配列の解析による、ノックアウトされている細胞性因子の同定にまで到達できていない。

今後の研究の推進方策

チクングニアウイルス接種後生存HEK293ノックアウト変異細胞はチクングニアウイルスS27株でのみ回収され、チクングニアウイルスSL11131株では回収されなかった。また回収されたチクングニアウイルスS27株接種後生存HEK293ノックアウト変異細胞はウイルス感染細胞となっていることが今回の研究で明らかとなった。今後はこれらの結果を踏まえ、標的細胞種を変えてノックアウト変異細胞ライブラリーを作製し、スクリーニングを行う予定である。また接種ウイルス株についても検討していく。

次年度使用額が生じた理由

当該年度内において当初の計画予定であった、チクングニアウイルス感染関連細胞性因子の同定までに至らず、同定細胞性因子に関連する抗体及び試薬等を購入できなかった。
次年度、チクングニアウイルス感染関連細胞性因子同定の後、これらの抗体及び試薬等を購入するため。

次年度使用額の使用計画

チクングニアウイルス感染関連細胞性因子同定の後、これら細胞性因子に対する抗体及び検査試薬等を早急に購入する。

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公開日: 2018-01-16  

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